車いすツインバスケットボールの
ナンバーワンプレーヤーを目指す青木颯志

2019年10月02日



文と写真:川西祐介

001
神奈川JUNKS #19青木颯志(中央)

 9月28日、29日の両日、2019年関東車いすツインバスケットボールトーナメント大会が神奈川県の横浜ラポールで開催された。

 全8チームが参加するが、そのうち5チームはツインバスケの全国大会にあたる、日本車いすツインバスケットボール選手権大会の前回大会に出場しているという、地方大会とはいえレベルの高い大会だ。

 選手権大会で2連覇中の神奈川JUNKSも、参加8チームのうちのひとつ。そのJUNKSには、青木颯志君という若手が加わった。若手と言っても、ツインバスケットボール連盟の選手登録の年齢制限(満14歳以上)を超えたばかりの中学2年生で、少年と言って差し支えないだろう。もちろん、チーム最年少、というか、ツインバスケプレーヤーで最年少だ。

 初日の初戦と準決勝は、スターターとして出場。ポジションは上シューターで、試合中、オフェンスでは先頭を切ってフロントコートへ走り、パスを引き出す役割を担った。ディフェンスでは持ち前のスピードを活かして、相手ボールマンへのプレッシャーをかけていた。

 しかし、やはりまだ経験不足なところもあり、ミスもあった。だが、中学生男子らしく表情こそ淡々としていたが、プレー振りにはチームに貢献しようという必死さが現れていた。それがわかるからこそ、周りのベテランチームメイトも、試合中にコート上でもベンチでも常にアドバイスを送っていたことが印象に残っている。

 青木君は「スターターとして出ている以上は責任感を持ってプレーしていました。先輩方は必ず良いパスを出してくださるので、自分の受け方次第だと思っています。ボールを受け取りやすいポジション取りや車いすの向き、パスの出し手のことを考えながらプレーしていたんですが、まだ上手くいかないこともあります」と反省していたが、「全般的にもっとレベルアップしたい」と意欲的なコメントもくれた。

004
神奈川JUNKS #14佐々木操

好きだから、楽しいから、上手くなりたい
 青木君が「とにかくプレーしていて楽しい」と言うツインバスケに出会ったきっかけは、理学療法士でもあるJUNKSの丸谷守保コーチの「一度見に来ないか」という一言だった。丸谷コーチは「すぐにツインバスケが気に入ったみたいで、『日本一のプレーヤーになりたい』と言ったりね、頑張っていますよ」と話してくれた。

 また、青木君のお母さん、登美子さんも「小5で始めた時から中2の今まで、何があってもとにかく練習は休まないですね。それくらい楽しんでプレーしているようです」と、青木君のツインバスケへののめり込み具合を教えてくれた。

 好きだからこそ、一生懸命にプレーできるし、試合に出るための練習に意欲的に取り組めるのだろう。そんな青木君が目標とするプレーヤーは、JUNKSでポジションが同じ上シューターの佐々木操だという。「プレーに余裕を感じます。試合を通しての体力の使い方も上手いなって思います。シュートも入るし、ドリブルもできてパスもできる。佐々木さんみたいなプレーヤーになりたいです」と、目指すプレーヤー像は明確だ。

 青木君の目標である佐々木は、「基礎を全部教えられていないので、まだまだこれからです。チームみんなで練習や試合を通してアドバイスを送っています。今から体も強くなるし、スピードもアップするはず。それに、ようやく自分のツインバスケ用の車いすを造ったところ。ホントにこれから」と、青木君に対する期待を話してくれた。

 「全国優勝するようなチームでプレーできるのは、恵まれています」と言う青木君。周囲のサポートを受け、努力を続ければ、“日本一のプレーヤー”になる目標も達成できるのではないか。ツインバスケ最年少プレーヤーの“これから”に期待したい。