ラッセル・ウェストブルックが再来日
高校生対象のクリニックにサプライズ参加

2019年08月06日



文と写真:田中勇希

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  今オフ、11シーズンプレーしたオクラホマシティ・サンダーからヒューストン・ロケッツへの移籍で話題を呼んだラッセル・ウェストブルック。3シーズン連続でのシーズン平均トリプルダブル、さらに昨シーズンのレイカーズ戦では20得点20リバウンド21アシストと、51年ぶりに3スキルでの20以上を記録するダブルトリプルダブルを達成したことも記憶に新しい。

 そんな名実ともにNBAのトップスターである彼が、パリ、ポートランド、ソウル、そして東京と世界各地で行う交流セッション『RUSSELL WESTBROOK 2019 WHY NOT TOUR』の一環として、Why Not? Summer Campを開催した。

 ツアータイトルにもなっている“Why not?”とはウェストブルックの座右の銘でもある言葉で「なぜやらない?」、「なぜベストを尽くさない?」と言ったニュアンスを含む。常に全力でプレーする彼のスタイルを体現する言葉だ。

 ウェストブルックは2年連続での来日で、8月5日は東京医療保健大学で開催された福岡大学附属大濠高校と市立船橋高校のバスケットボール部のクリニックにサプライズゲストとして登場した。

 そうとは知らずに、高校バスケットボール界を代表する2校の選手たちはウェストブルックの2作目となるシグニチャーシューズ「WHY NOT ZERO.2 SE」を着用してクリニックに参加。東京医療保健大学バスケットボール部の恩塚亨ヘッドコーチから、ピックからのオフェンスやトランジションオフェンスからのピックの使い方の指導を受けていた。選手たちが給水タイムに入ると、バスケットボールアナリストの佐々木クリス氏が登場。佐々木氏の呼び込みでサプライズ登場したNBAのスーパースターに、選手たちは喜びを隠しきれない。

 その後のルーズボールからのファストブレイクの練習ではウェストブルック自らボール出しを務め、選手たちにアドバイスを送る。締めくくりのミニゲームでは、市立船橋高校の指揮を恩塚ヘッドコーチが、大濠高校の指揮をウェストブルックが執り、ウェストブルックには背番号0の大濠高校トロージャンズのユニフォームがプレゼントされるという一幕も。

 ウェストブルックは、大濠高校の選手のシュートに対するファウルがあったのではと審判に抗議したり、ディフェンス時には「by your self(マークマンを1人で守りなさい)」と声を出したり、さらには大濠高校のエース横地聖真選手にアイソレーションを指示。ハーフタイムのインタビューで「1番大切なのは楽しむこと」と語ったように、本人が1番楽しんでいるように見えた。そのかいあってか、ゲームは36-16で大濠高校が勝利。日本の高校生の選手たちと喜びを分かち合っているスーパースターの姿が印象的だった。

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 ミニゲームを終えた後のQ&Aを行うトークセッションで、自らの高校時代について聞かれると、ウェストブルックは「とにかくがむしゃらにプレーしていた。相手をなぎ倒すくらいの勢いでね」と笑みを浮かべながら返答。選手たちはみな彼の代名詞であるクイックネスを活かしてのドライブインが頭に思い浮かんでいたことだろう。

 また、市立船橋高校の選手からの、控えの立場からもっと試合に出るためには日々どのような意識を持って練習に取り組めばいいかという質問に対しては、「一貫性を持って取り組むことが大切。ベンチからのスタートでも、スタートであっても関係ない。2分、5分、10分、20分とどれだけのプレータイムでも自分のプレーに一貫性を持って取り組むことが重要なことだ」と真摯にアドバイスを送った。

 彼のモットーである“Why not?”の由来に関しての質問には「みんなと同じくらいの年齢のころは貧しく、すごく困難な状況下にいた。その中でもポジティブに前進していくためにチームメイトとともに作り上げたモットーなんだ」と自身のルーツを振り返った。

 トークセッション終了後は、両校へサイン入りのボールをプレゼント。最後にコメントを求められたウェストブルックは「今日はここに来てくれて本当にありがとう」と選手たちとギャラリーに感謝の言葉を述べると、「ベストな選手になれるように引き続き取り組んでほしい。絶対に歩みを止めないこと。1番大切なのは楽しむこと。それを忘れないで」とコメントを残し、会場を後にした。

 来シーズンから新天地での挑戦が始まるウェストブルック。そんな彼が“Why not?”の精神で壁を打ち破っていく姿を見ることで、選手たちがより一層ステップアップしていくきっかけになるのではないだろうか。