バスケ界激震の不祥事……
「信頼回復」の険しい道のりへ

2018年08月21日



文と写真:hangtime

DSC00496 8月21日付朝刊のテレビ欄を見ると、各局のワイドショーで“バスケ日本代表”のことが数多く取り上げられていることがわかる。それは、現在開催中の「第18回アジア競技大会」(インドネシア・ジャカルタ)の活躍を伝えるものではない。残念なことに現地(8/16)で4選手が起こした不祥事と、そのことに関するJBA(公益財団法人 日本バスケットボール協会)の緊急記者会見(8/20)を受けてのものだ。

 記者会見前に配られた資料によると、あらましは以下の通り。8/16(木)22:00~24:00ごろ、公式ウェア着用のまま、選手村からタクシーで日本食レストランへ。日付が替わった8/17(金)0:00ごろ、2軒目へいくつもりで歩いていた際、現地の女性から声を掛けられる。日系企業の方が通訳に入り、金銭の交渉が行われホテルへ。1:30~2:30ごろ、ホテルを出て集合し、タクシーで帰村。

 8/19(日)14:40ごろ、JOC(日本オリンピック委員会)より、現地の日本代表チームスタッフに(外出時の)事実確認の依頼があった。先に橋本、佐藤、今村3選手が認め、その後、永吉を含めた4選手全員が認めたことを(18:40ごろ)JOCへ報告。19:30ごろ、4選手の(今大会選手団から)の除名処分が伝えられ、8/20(月)午後に4選手が帰国し、都内ホテルにて緊急記者会見へ。

 午後8時に設定された緊急記者会見には三屋裕子JBA会長、東野智弥JBA技術委員会委員長に加え、当事者である永吉佑也(京都ハンナリーズ)、橋本拓哉(大阪エヴェッサ)、佐藤卓磨(滋賀レイクスターズ)、今村佳太(新潟アルビレックスBB)が登壇した。それは、『日の丸』を背負うにはあまりにも自覚に欠けた、愚かな行動をとった選手たちと対面し、「涙が出る」と言うほど失望した三屋会長が、「自分の言葉で話すことで、自力で復活するきっかけを与えたい」という温情の表れだった。

 マイクを手にした選手たちはお詫びの言葉を口にし、記者の質問に“認識の甘さ”や“自覚のなさ”を繰り返した。公式ウェアを着て村外へ出て食事や飲酒をし、買春に至ったことは前代未聞の出来事であり、代表選手としての自覚を取り戻す機会はあったと受け取れるだけに残念でならない。同席した岸郁子弁護士の言葉を借りれば「今回の行為は日本の法律に当てはめれば『売春防止法』に抵触する」重大事。インドネシアの法律に照らしても「まだ調べ切れていませんが、日本同様に違法の可能性はあります」(岸弁護士)という。現時点で、現地警察の事情聴取などは受けていないとのことだが、法に触れることが明確になれば、残る8選手の帰国についても三屋会長は明言した。

 JBAやB.LEAGUEの正式な処分は少し先になりそうだが、所属クラブは当面の謹慎処分を課した。社会的制裁は長く続く可能性もある。それだけの不祥事を起こしたのは本人たちであり、「今は頭が真っ白で先のことは考えなれない」(永吉)というのが正直な言葉だろう。まずは心からの反省を示す姿勢が求められるが、その先には“自力で復活する”姿を見せてほしいと思う。それは、日本のバスケ界全体の重いテーマともなる。FIBA ワールドカップ 2019のアジア地区2次予選(Window4)が間近に迫り、2020年東京オリンピックの開催国枠獲得に向けた取り組みは待ったなしだ。

 帰国前、現地で山下康裕選手団団長と話をしたという永吉は「人生七転び八起き」という言葉をかけられたという。三屋会長は「選手たちの再生プログラムのようなものを準備できれば……」と語った。自ら招いた厳しい現実に立ち向かわなければならないが、大先輩のアスリートの言葉に耳を傾けてほしい。これまで以上に、まわりのサポートに支えられることもあるだろう。もし、温情をかけられたと感じたならば、必死に縋りついてでも、復活へのステップへ踏み出しもらいたい。この先もバスケは続いていくのだから。

=三屋裕子JBA会長 コメント=
 「この度、第18回アジア競技大会において、バスケットボール男子日本代表選手4名が日本代表選手団ウェアを着用し、現地歓楽街で遊行するという不適切な行動をとったことが発覚し、昨夜、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)よりご連絡をいただきました。

 この不祥事について、国民の皆さま、またバスケットボールを応援・支援してくださっている関係各位に対し、心よりお詫び申し上げます。また、当該4名を除く代表チームの大会継続参加をお認めいただきましたことについて、JOCに感謝申し上げます。

 今回の彼らの行動は、日本を代表する立場で戦いの場に臨む日本代表選手として言語道断であり、その思慮に欠ける行動に言い訳の余地はありません。一方で私たちの管理監督責任も痛感いたしております。

 すべての詳細を把握できていない現状ですが、当協会としても、この後本人たちからの聴取も含めて詳細を再確認いたします。当該選手たちに対する処分については、また改めてご報告させていただきます。

 二度とこのような不祥事を起こすことがないよう、当協会は全力を挙げて、管理体制の強化ならびに選手たちの意識改善・向上に取り組んでまいります」
※2018年8月20日 JBAオフィシャルサイトより