負けた以上は反省と対策を
それでも日本の戦いは続く

2019年09月10日



文:hangtime編集部/写真:ⒸFIBA.com

渡邊003

 中国で開催されている『FIBA ワールドカップ 2019』、日本の最終戦は17-32位決定戦の第2戦、モンテネグロとの一戦。7日の第1戦ではニュージーランドに81‐111という歴史的な大敗を喫したものの、唯一の救いはニック・ファジーカスの31得点という活躍だった。試合後、「国際試合で30点近く獲れること証明したかった」とコメントした通り、彼はこの大舞台で自らを鼓舞し、納得のスタッツを残した。

 モンテネグロ戦はヨーロッパ勢から初の1勝を狙うためのラストチャンス。“日本一丸”の戦いで、誰もが納得できる結果を残そうと臨んだ、はずだったが……65‐80で敗れた。残念ながら日本一丸とは言い難い内容で、「唯一の救い」は渡邊雄太が34得点、9リバウンドの活躍を見せたこと。八村塁の存在感、ファジ―カス、渡邊のポテンシャルは際立ったが、果たして来年の東京オリンピックは大丈夫だろうか。特効薬などあろうはずはない。目の当たりにした現実を直視し、ぶちのめされた痛みを受け止めて、もう一度前を向いて進んでいくしかない。

渡邊001

 この試合、1Qの中盤でモンテネグロに8点のランを許し、6‐17とリードされた。その後も悪い流れを変えられず、16‐26で終了。一度リードされると挽回できないのが今の日本を象徴しており、早くも暗雲が立ち込めた。

 しかし、2Qに入ると日本がディフェンスの強度を上げて追い上げを図る。相手を5分間ノーゴールに抑え込み、その間、渡邊が連続得点するなど26‐28と1ゴール差。その後は一進一退となるものの、残り2分25秒に相手ベンチのテクニカルファウルで得たフリースローを渡邊が決めて、31‐32と肉薄した。ところがここから日本にミスが出てしまい、33‐40で前半終了。

 ここまで出ずっぱりの渡邊は21得点、6リバウンド、フリースローは100%(7/7)を記録していた。チームスタッツはアシストがわずか1本で、ターンオーバーは8本。ブロックは7本、スティールも5本食らっていた。特に、逆転を狙える場面で2つのターンオーバーは痛かった。一度でも優位に立っていれば、と悔やまれる場面だった。

ファジーカス002

 あとはとにかく後半の出だしが大事になる。2Q終盤の悪いムードを切り替えられているのか。悔いを残さないためにもやるしかない。すると出だしから日本がリバウンドに絡み、攻撃につなげる。8連続得点で41‐42と再び1点差、残り6分6秒には渡邊がダンクを叩き込んで45‐46。その後も残り3分までは49‐52と食らいついた。過去4試合とは明らかに違って日本の粘りを見せる。

 ところがここから日本はシュートミスが続き、相手にリバウンドを支配されると次々に得点を許し、51‐59で最終クォーターを迎えた。

ラマスHC001

 残り10分、4Qで三度反撃はできるのか。ようやくたどり着いたこのステージで、何かをつかみとることができるのか。答えは「NO」だった。果敢にアタックを繰り返すもシュートの精度は上がらず、何とかシュートねじ込むものの、相手に3Pシュートを決められその差は広がるばかり。残り6分で55‐70。連続得点で残り5分に59‐70。追撃のチャンスは最後になるだろう。が、ここでも相手の3Pシュートで59‐73と差を広げられてしまった。再び渡邊がブロックショット、馬場雄大から渡ったボールをダンクで叩き込んで得点するも、勝負は決した後だった。

 ニュージーランド戦の後、記者に囲まれた渡邊は「最低の試合。代表の恥」とまで言い切った。その言葉を胸に刻んでコートに立ち続けた渡邊は、この試合で、今季もNBAで闘えることを証明した。八村の存在感、ファジーカスの安定感に刺激を受け、彼もまた自らを証明するために結果を求めたはずだ。たとえ数字に表れなかったとしても、その姿勢を見せるために。八村と篠山竜青を欠くからこそリーダーシップを発揮しなければならない。その責任を背負う覚悟は誰もが感じ取った。

馬場001

 今大会で「BIG3」に続く活躍を見せた馬場は、「すべての面で力の差を感じた。もう一度、自分たちと向き合い、世界レベルの水準で考えたい」とこの試合をふり返った。「不完全燃焼。(大会を通して)気持ちよくプレーができなかったし、楽しくプレーできなかった。気力でリングにアタックしたが、それも全試合を通してできたわけではない」と、反省とも後悔ともつかない言葉を続けた。

 それでも救いは「この結果に下を向くことなく、このような経験を多く積み重ねていくためにも顔を上げて前を向きたい」というコメント。選手たちは誰もが同じ気持ちだろう。ワールドカップは終わってしまったが、日本バスケットの戦いは続く。東京五輪まで1年を切ったのだから、“ハイ、次へ”──今度はB.LEAGUEへと戦いの場を移し、世界と伍して戦える選手へと成長する姿を見せて欲しい。