日本が示すべきは「チーム力」
今しかできないことがある

2019年09月08日



文:hangtime編集部/写真:ⒸFIBA.com

渡邊&比江島

 1次ラウンド3戦全敗で、「17-32位決定戦」に回った日本は、その第1戦でニュージーランドと対戦した。大会前の強化試合で連戦した際、日本は1勝(99‐89)を挙げたものの、次戦は87‐104で敗れている。ここでの勝利が次につながることは、選手たちが一番わかっていたはずだ。

 アメリカ戦の大敗から立ち上がり、自分たちがめざすバスケットをやり切る、そんな姿が求められていた。前日には、「八村塁が残り2戦欠場」という残念なニュースがと飛び込んできており、続けて「篠山竜青もケガで欠場」というダブルパンチ……。大黒柱と精神的支柱を欠くとなれば苦戦は免れまい。だからこそ、“ここでの勝利”を果たして欲しかったのだが、結果はアメリカ戦以上のショッキングな敗戦となってしまった。

ファジーカス001

 1Qのスタート当初は一進一退で、互いに点を取り合った。八村不在をカバーするようにニック・ファジーカスが攻撃の起点となり、フックシュートを決めるなど10‐9で日本がリード。しかし、次のオフェンスからニュージーランドが10点のランで10‐19とする。ようやくファジーカスがジャンパーを決めたもののニュージーランドペースは変わらず、残り4分を切って12‐24のダブルスコアに。

 嫌なムードが漂ったが、ここは日本が踏ん張りを見せた。渡邊雄太がアタックを繰り返し、ファウルをもらうとフリースローで挽回を計る。その後、安藤誓哉、ファジーカスが3Pシュートを決めるなど、結局29‐29のタイスコアに戻して見せた。コートに立てない「2人の無念」を背負った10人は、2Q以降の戦いに自信を深めたに違いない。

安藤誓001

 ところが、2Qに入ると日本のプレーがかみ合わなくなってしまう。ファジ―カスへのマークがきつくなるのは織り込み済みで、彼以外の得点が重要なはずだが、ミスも重なり思うような展開ができない。その間ニュージーランドは得意のアウトサイドシュートを高確率(4/7)で決め、八村不在のインサイドも高さを活かして優位に立ち、計26得点。一方日本は、せっかくのシュートチャンスをものにできず10点止まり。39‐55で前半を終了した。

 ここまでの主なスタッツは、3Pシュートがニュージーランド9/16、日本8/16でほぼ互角。ところが2Pシュートはニュージーランド12/19に対し、日本5/27と攻め切れず、フィールドゴール成功率は62%対30%と半分以下に抑え込まれた。

 盛り返して迎えた2Qだったものの、この16点差が重しになったかのように、後半の日本は動きに精彩を欠いたプレーに終始してしまう。それはスキルや戦術というより、メンタル面での課題でだろう。劣勢からカムバックする、インテンシティーを注入する、そんなタレントがいない。八村、篠山の不在で、その弱点がより浮かび上がったようだ。

安藤周001

 後半に入ると際立ったのが、いかにも「自分の間合い」で試合を進めるニュージーランドと、「相手の術中」にはまり有効な手立てがない日本という構図。何とかシュートを1本決めて、“さぁこれから”と思った次の瞬間3Pシュートを決められたり、ディフェンスリバウンドを奪われたり、まさにボディブローのようなダメージが続く。

 それでも3Qの残り4分44秒、田中大貴からアシストを受けた比江島慎が3Pシュートを決めて一矢報い、53‐69と粘りを見せた。が、残り4分2秒には53‐73と20点差をつけられ、残り2分22秒には3Pシュートを決められて56‐79。

 3Qの日本は22得点とやや持ち直したが、相手は27得点して61‐82、その差21点を追いかけて4Qに入った。

シェーファーアヴィ幸樹001

 最終クォーター、諦めるわけにはいかない日本は何とか反撃を試みる。コートには安藤誓哉やシェーファー アヴィ幸樹など、これまであまりプレータイムのなかった選手がいた。10人しかいない日本はタイムシェアに苦労し、まさに総力戦。出場のチャンスを得た選手にとっては、ここからのパフォーマンスが未来を切り拓くことになる。20点前後の差を詰めることはできず、苦しい展開は変わりはないが、何かきっかけをつかめばよい。それが最終戦への糧となり、それぞれのステージで今シーズンを戦うモチベーションになるからだ。

 終わってみれば81‐111の大敗。相手に18本(33本中)の3Pシュートを決められ、35本のディフェンスリバウンドを取られた。ファジーカスが5本の3Pシュートを含む31得点9リバウンドと奮闘するも、二の矢三の矢がなければ勝利を引き寄せることはできない。「本当に最悪な試合をしたと思います」という渡邊の言葉の通りの内容になってしまった。フリオ・ラマスヘッドコーチは「(相手の)スタイルを知っているにもかかわらず、止められなかったのだから、われわれの問題」とコメントし、「厳しい状況であっても結果を求めていかなければならない。最後は勝てるようにしたい」と最終戦への決意を語った。

ラマスHC001

 誰も諦めてはいない。それは応援するファンも、結果を伝える我々も同じ。「気持ちを切り替える」だけでは足りない。「いい準備をして」もそう簡単に勝てるわけではない。勝利のためにもがいて欲しい。ただただ相手にぶつかっていって欲しい。

 明日(9/9)、ワールドカップの最終戦となるモンテネグロ戦が待っている。悲願の1勝は、ヨーロッパ勢から1勝というミッション達成にもつながるのだから、ひたすら伸ばしたその手の先につかめる何かがあると信じよう。