1次ラウンド敗退決定
でもまだ終わりじゃない

2019年09月04日



文:hangtime編集部/写真:ⒸFIBA.com

八村塁002

 ワールドカップ第2戦は、FIBAランキング24位のチェコが相手。1次ラウンド突破のために負けられないばかりか、渡邊雄太や比江島慎、竹内兄弟(公輔、譲次)の4人にとっては何としてもリベンジを果たしたい相手でもあった。2016年7月6日、彼らは「日の丸」を背負い、リオ五輪の出場権が懸かる世界最終予選(OQT)で激突し、71‐87で敗れている。

 当時、チーム最年少だった渡邊は今やNBAプレーヤーへと成長し、八村塁、ニック・ファジーカスの3人で『BIG3』と称される存在になった。そして今大会のミッション、“ヨーロッパ勢から初の1勝”のターゲットでもある。

田中大貴001

 大事な一戦でスタートを任されたのは、八村、渡邊、田中大貴、馬場雄大、ファジーカスの5人。注目すべきはポイントガードで田中の先発だが、これは、相手のポイントガード、#8 トマシュ・サトランスキー(シカゴ・ブルズ)対策。201㎝の高さがあり、ディフェンスを切り裂くドライブインも得意な『エース』を抑えなければ勝機は見出だせない。ただし、マークに付いたのは抜群の身体能力を誇る馬場で、ローテーションも含め日本のディフェンスは上手く機能し、田中も持ち味を得力を発揮するなど、18‐18で1Qを終えた。

馬場雄大001

 2Qに入っても一進一退の展開が続き、互いに主導権は握れないままの時間帯が続いた。しかしチェコは#11 ブレイク・シウヴが4本の3Pシュートを決めるなど、得点パターンがインサイド中心からアウトサイドへと広がりはじめると少しずつ点差が開いていく。日本もよく攻めてファウルをもらい、フリースローを得るものの確率は今ひとつ。後手に回って一時は10点差に。それでも集中力を切らすことはなかった。しつこくボールを追うディフェンスと、渡邊や途中出場の比江島らが果敢に仕掛けるドライブなどで食い下がり、40‐45で前半を終えた。

 トルコ戦では思うようにプレーをさせてもらえなかった八村だったが、この日はボールが回ってシュートチャンスをつくることができた。田中、渡邊、ファジーカスの得点シーンが増え、後半の逆転勝利に望みをつなぐことができた。集中力を持続し、ディフェンスの強度をもう一段上げ、リバウンドで競り負けないこと。ラマスジャパンが目指すバスケットができれば逆転は十分可能、そんな雰囲気だった。

 どこかで日本の時間帯になり、一気に弾みを付けるのでは、と期待されたものの、その兆しはなかった。逆にチェコは日本のディフェンスの綻びを見逃さない。爆発力という強烈な印象ではないものの、確実に得点を重ね、落ち着いたプレーに終始した。

ファジーカス001

 55‐64と点差を広げられて迎えた最終4Qも、2ケタ得点差を保ちながら慌てずにプレーするチェコに対し、日本は焦りからかミスが出てしまう。追い上げのタイミングでターンオーバーが続き、自ら反撃の芽を摘んでしまったようだ。終わってみれば76‐89のという13点差で、どこかで日本が流れをつかんでいれば、逆転も可能だったのでないだろうか。それを許さないのがチェコの強さであり、経験の差と言ってしまえばそれまでだが、もどかしさが残る負け方だった。「気持ちが大事」と誰もが口にし、その思いが溢れるプレーを見せたものの勝利に届かない。世界で戦うプレーヤーにはいつも「気持ち」が備わっており、プラスαのスキルや経験、サイズといった要素が求められる。

渡邊雄太001
 2戦を通して、日本がその片鱗を見せたことは間違いない。世界に通じるプレーヤーが躍動する日本バスケ、その兆しは十分に感じられた。であればなおのこと、ラインキング1位のアメリカ戦で、もう一度世界基準を意識したプレーを披露してもらいたい。応援する側の覚悟を背負って頑張ってほしい。その日は二日後にやって来る。