1勝1敗のニュージーランド戦
明るい兆しと浮き上がった課題

2019年08月15日



文:hangtime編集部/写真:日本バスケットボール協会 ⒸJBA

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 8月31日に開幕する「FIBAワールドカップ 2019」へ向け、着々と強化を進める日本代表がその一環としてニュージーランド代表と対戦した。同じアジア地区に属するものの予選での対戦はなく、世界ランキングは日本(48位)より上位の38位で「力試し」には相応しい相手。2連戦が組まれたが1勝1敗で終え、日本にとっては手応えを感じるとともに、課題も突きつけられる結果となった。

凱旋の八村が観客を魅了
 第1戦が行われた千葉ポートアリーナは満員の観客で熱気に包まれた。日本選手がアナウンスされるたびに歓声が沸き、どんなプレーを見せてくるのだろうかと待ち切れない雰囲気が伝わってくる。この日のスターターは比江島慎、篠山竜青、八村塁、馬場雄大、ニック・ファジーカスの5人。富樫勇樹がケガによりチームを離れたため、注目されたポイントガードだが、ここは無難に篠山の起用となった。

 この試合、右足首の捻挫で調整が遅れている渡邊雄太の名はなく、期待された“ビッグ3”の競演は実現しなかった……が、残りの2人、八村とファジーカスはその存在感を示した。特に八村はNBAドラフト1巡目指名の実力を如何なく発揮し、26分55秒のプレータイムで35得点、5リバウンド。ファジーカスは27分14秒のプレータイムで21得点、7リバウンドという活躍で日本の勝利(99-89)に貢献。他にもベンチスタートの竹内譲次が10得点、6リバウンド(24分26秒)、馬場も果敢にゴールにアタックして12得点、6アシスト(27分26秒)という活躍を見せた。

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 相手の出方を探り合うような立ち上がりだったが、シュートタッチの良い八村がアグレッシブにゴールを狙い、それに引っ張られるように積極的なオフェンスを仕掛けた日本のプレーには明るい兆しが感じられた。しかしながら、「八村頼み」の感は否めず、せっかく良いリズムで攻めながら、ディフェンスでは1on1で破られるシーンもあり、守りに関しては不安を感じさせる内容だった。

不安的中、104失点
 そして第2戦は、その不安が的中してしまった。ニュージーランドはディフェンスの強度を上げ、八村を抑えにかかる。オフェンスではガード陣が直線的な動きでインサイドへ切れ込み、スペースができたアウトサイドにパスを飛ばし、3Pシュートを狙う。サイズやポジションに関わらず、誰もが果敢にシュートを打ち、そして誰もが決め切るスキルを持ち合わせている。それは日本がお手本にすべき点であろう。

 87-104というスコアで敗れたが、3Pシュートは6/22(27.3%)の日本に対し、ニュージーランドは13/37(35.1%)。アシスト数も15本対22本と差を付けられている。ワールドカップで対戦するトルコやチェコは、さらにサイズとテクニックのある選手が揃うだけに、さらなる強化が必要だ。

ビッグ3+α=ジャパンドリーム
 ただ、この試合では“ビッグ3”の揃い踏みが実現した。10分間という限定付きながら、渡邊雄太がスターターで登場したのだ。さすがに連係の部分ではまだまだもの足りないが、「我々のベストチームとして準備した」というフリオ・ラマスヘッドコーチの言葉通り、ワクワクするラインナップだ。何度もインサイドアタックを仕掛けた馬場やシューターとしてアピールを続ける安藤周人、ポイントガード争いに割って入ろうとする安藤誓哉のほか、ビッグマンにもシェーファー アヴィ 幸樹ら活きの良い若手が揃った。

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 “ビッグ3”に目が行きがちだが、ワールドカップで勝利をもぎ取るためには、躍動感あふれる若手の活躍が必要不可欠だ。今は16名の候補選手がしのぎを削り、さらに磨き上げている段階だ。来週には「さいたまスーパーアリーナ」での国際試合が予定されている。バスケットLIVEでの配信の他、BSやCS、NHK総合での地上波生放送も行われるので、「史上最強」と謳われる日本代表の成長の過程をしっかり見届けてほしい。

FIBAワールドカップ2019」 日本代表候補選手
【スタッフ】
ヘッドコーチ:フリオ・ラマス(公益財団法人日本バスケットボール協会※JBA)
アシスタントコーチ:エルマン・マンドーレ(JBA)
アシスタントコーチ:佐古 賢一(JBA)
【選手】
#3 安藤 誓哉(PG / アルバルク東京)
#4 太田 敦也(C / 三遠ネオフェニックス)
#6 比江島 慎(SG / 宇都宮ブレックス)
#7 篠山 竜青(PG / 川崎ブレイブサンダース)
#8 八村 塁(SF / ワシントン ウィザーズ)
#9 ベンドラメ 礼生(PG / サンロッカーズ渋谷)
#10 竹内 公輔(PF / 宇都宮ブレックス)
#12 渡邊 雄太(SF / メンフィス グリズリーズ)
#13 安藤 周人(SG / 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
#15 竹内 譲次(PF / アルバルク東京)
#18 馬場 雄大(SF / アルバルク東京)
#22 ニック・ファジーカス(C / 川崎ブレイブサンダース)
#24 田中 大貴(SG / アルバルク東京)
#32 シェーファー アヴィ 幸樹(C / 滋賀レイクスターズ)
#34 渡邉 飛勇(PF / ポートランド大学 2年)
#88 張本 天傑(SF / 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
※所属は2019年8月14日現在

=バスケットボール日本代表国際試合=
さいたまスーパーアリーナ
8月22日(木)17:00 TIP OFF 男子日本代表 vs アルゼンチン
8月24日(土)15:10 TIP OFF 男子日本代表 vs ドイツ
8月24日(土)18:30 TIP OFF 女子日本代表 vs チャイニーズ・タイペイ※
8月25日(日)15:00 TIP OFF 男子日本代表 vs チュニジア
8月25日(日)18:30 TIP OFF 女子日本代表 vs チャイニーズ・タイペイ※
※バスケットボール女子日本代表国際強化試合2019 三井不動産カップ同時開催