ワールドカップ出場に一歩前進
日本代表が2次予選を連勝でスタート

2018年09月18日



文:川西祐介/写真:大澤智子01

 『FIBA ワールドカップ 2019』出場を目指しアジア地区2次予選を戦う日本代表。4チームで争う1次予選の全6戦の内、最初の4戦を落とし、一時は崖っぷちに追い込まれた。しかし、Window3、第5戦と第6戦を前に、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)が帰化し、アメリカのゴンザガ大学でプレーする八村塁の2人が加わると、この2戦を連勝する。

 2人の加入は想像以上の効果を発揮した。とくに第5戦はNBA選手2名を加えた、強豪オーストラリアをホームで撃破する大きな力となった。この連勝もあって、日本は2次予選へ進出。

 2次予選は、4グループで争われた1次予選の各グループ上位3チーム、計12チームが2グループに分かれて争う。ワールドカップ開催国の中国を除いた、各グループ上位3チームと+1チームが本戦へと進むことができる。

 2次予選で日本が戦うのはイランとカザフスタン、カタールの3チーム。1次予選の結果が引き継がれるため、2次予選が始まる段階でグループ5位の日本としては、下位の2チーム(カザフスタンとカタール)に負けるわけにはいかないところ。

 そして迎えたWindow4、負けられないカザフスタン戦(アウェー)と2次予選の中では強敵のイラン戦(ホーム)を前に、日本代表にもう一人強力なメンバーが加わった。NBAのメンフィス・グリズリーズと2WAY契約を結んだ渡邊雄太だ。ファジーカスはオフの手術後のリハビリのため招集は見送られたが、渡邊と八村が揃って参戦となった。

 アウェーとはいえ負けられないカザフスタン戦。5点をカザフスタンに先行されるが、日本は渡邊がチーム初得点、続けてバスケットカウントなどで追い上げると、富樫勇樹のフリースローを挟んで、今度は八村のジャンプショットで逆転。以降、相手に一度もリードを渡すことなく勝利した。

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 この試合、八村は14本のシュートを放ちチームトップの24点、渡邊はチーム最多となるシュート15本を打って17得点し、チームを牽引。他に富樫、竹内譲次、アイラ・ブラウンが9点、田中大貴も8点と、バランスよく点をとり、カザフスタンディフェンスに的を絞らせなかった。

 続く第8戦のイランは、先のアジア競技会準々決勝で敗れた相手であり、FIBAランクも25位と、日本にとっては格上だ。しかし、1次予選(第5戦)でオーストラリアに勝ったところを見たファンたちが、その再現を期待するのは当然のこと。

 1Q。高さで劣る日本はゾーンでインサイドを固め、イランのドライブからインサイドプレーヤーへの合わせはしっかり対応するが、そこからアウトサイドにボールを出されるとカバーが効かず、3Pシュートを高確率で決められてしまう。特にイランのベヘナム・ヤハチャリは3/3と絶好調。日本は八村と渡邊がディフェンスリバウンドからそのままワンマンでゴールまで迫るなど、速く力強いバスケットで対抗し、先行するイランを追い上げる。しかし、最後はイランにブザービーターを決められ16-22とリードを許す。

 続く2Qはベテラン竹内譲次が奮闘。フィジカルに勝るイランインサイド陣に負けず、ポストプレーを仕掛ける。シュートを落としても粘り強くオフェンスリバウンドを拾い、得点をもぎ取るだけでなく、味方のシュート機会を生み出した。このクォーターだけで4本のオフェンスリバウンドを奪うなど、31-35とイランに食らいついていく原動力となった。

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 後半の入り、ここが日本にとって常に重要な時間帯だ。その2分間に日本が8連続得点して一気に逆転。イランがタイムアウトを取り、その直後に2点を返されたものの、さらに5点を積み上げる。また、このクォーターから日本のトップディフェンダー、渡邊が好調ヤハチャリのマークにつく。するとヤハチャリは沈黙。イランオフェンスも機能しなくなった。結果このクォーターで日本は26点をあげ、イランを8点に抑えて、57-43と一気に14点のリードを奪った。

 最終クォーターも日本のディフェンスがイランを苦しめる。オフェンスの好調さで押し切るようなゲームではなく、波のないディフェンスでゲームをコントロールし、最後まで危なげない展開。70-56と強豪イランに完勝し、4連敗の後、4連勝。ワールドカップアジア地区2次予選の順位を1つ上げた。

 この試合も八村が25点でリーディングスコアラーとなり、渡邊が18点で続いた。試合後渡邊は「みなさんが期待する活躍をすることができなかった」と言ったが、それは前半のオフェンス面についてだけだろう。後半はヤハチャリを抑えたことで、イランの調子を落とし、勝利につながったことは言うまでもない。

 また、渡邊は「(八村)塁と僕がいなくても今の日本は強くなっている」とコメントした。ファンの目にもそう見えているに違いない。八村や渡邊、ファジーカスが加わってから4連勝する間に、他の選手も自信を深めていったはずだ。勝利という最も大事なことと同時に、そうした自信を身をもって表現したことこそが、彼ら3人の大きな貢献だ。

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 次のWindow5は富山で行われるホーム2連戦。ここに八村と渡邊が参加する可能性は低い。しかし、今の日本代表ならば力強いバスケットで連勝は十分に狙える。そうすればワールドカップ出場がグッと近づくはず。

 我々にできることは代表に声援を送って後押しすることだ。富山でも今回のイラン戦同様、いや、それを上回る声援で代表を応援しよう。