ワールドカップでメダルを狙う女子日本代表
「いい試合」──“自信”を深めた強化試合

2018年08月09日



文:皆人公平/写真提供:日本バスケットボール協会

S09_2371 強豪カナダを迎え、『女子日本代表国際強化試合2018 三井不動産カップ』に臨んだ女子日本代表。9月22日にスペインで開幕する『FIBA 女子ワールドカップ2018』に向けた“現時点”での成果を存分に披露した。第2戦(第1戦:6/8チャイニーズ・タイペイ戦)の新潟大会は73-70の辛勝だったが、第3戦の群馬大会は88-50で完勝。試合後、トム・ホーバスヘッドコーチは、「最後までいい試合だった」と笑顔でふり返った。

練習の成果を出す試合、成果を出すための練習
 そのコメントは、新潟大会の反省点──ペイントエリア内へのドライブはもっと上手にできると思いました。(ホーバスHC)──を踏まえ、選手たちが積極的にゴールへアタックしたプレーなど、手ごたえを感じたからに違いない。しかし“もっと上手にできる”という思いは、単に1つのプレーに関してではない。「最初から最後までエネルギーがあり、3Pシュートの確率が少し足りなかったこと以外、すべていい結果だったと思う」(ホーバスHC)というコメントに、チームづくりが順調に進んでいる“自信”が見て取れた。

 新潟大会と群馬大会のスタッツを比べると、シュート成功率(3P、2P)は36.9%→46.6%となり、ペイント内の得点は22点→34点へ上がった。カナダのそれは50.0%→33.3%、40点→24点と下降し、高さに勝るカナダが優位に立てるリバウンドの本数も日本代表が逆転(新潟大会:日本33本‐カナダ40本、群馬大会:日本42本‐カナダ33本)した。

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 試合前、“ペイント内へのドライブ”をアドバイスの1つに挙げたホーバスHCには、「日々のチーム練習の積み重ねが強みになる」という自負があり、“もっと上手にできるはず”だと考えた根拠になったのだろう。そして選手たちは、練習によって培ってきた“備え”があるからこそ、すぐに対応、適応することができた。例えば1つの反省点と、その修正が「チーム全体のプレーを向上させた」この2試合、ランキング上位のカナダに連勝したことは、チーム全体に“自信”を深める要素となったのは大きい。

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 というのも、ここ数年日本代表を引っ張ってきた吉田亜沙美、大崎佑圭(2018‐19シーズンは選手登録なし)、渡嘉敷来夢という経験豊富な「三本柱」が、現在は不在なのだ。「主力を欠いたチーム……」と不安視する声もあるが、新たなる主力が現れており、女子日本代表の強化は着実な歩みを続けている。

 記者会見の度に「このチームは若い。まだ我々のバスケットを理解できていないところもある」と、繰り返すホーバスHC。最終のロスターがどうなるかはわからないが、現状のままでは経験不足は否めない。しかし、この14名(他の候補選手たちも含めて)はポテンシャルが高く、まだまだ伸びしろがある。何よりアグレッシブなプレーを随所で発揮し、若手とは思えない頼もしさ、たくましさを感じさせる。残された時間は限られているが、チームとしての成熟度が増し、個々の経験値が上がっていくことで大きく成長していく楽しみがある。

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 「ワールドカップで(何色でもいいので)メダル獲得、東京オリンピックで金メダルを狙いたい」というホーバスHC。その力強いコメントの実現に向けて、バスケファンにできるのはエールを送り続けること。女子日本代表代表の活躍はもちろんのこと、ワールドカップの後に開幕するW.LEAGUE(20周年記念大会)にも注目したい。有力選手が母体チームに戻り、全体的に底上げされる女子のトップリーグでは白熱した試合が展開される。チームにとっても選手にとっても、大事なのはW.LEAGUEで活躍しアピールすること。ワールドカップに続いて、次は2020年の東京オリンピックがターゲットとなるからだ。

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【女子日本代表国際強化試合2018 三井不動産カップ】
新潟大会、群馬大会 女子日本代表チームメンバー表
【スタッフ】
ヘッドコーチ:トム・ホーバス(公益財団法人 日本バスケットボール協会:JBA)
アシスタントコーチ:恩塚 亨(東京医療保健大学)
アシスタントコーチ:知花 武彦(株式会社オンザコート)
【選手】
#0 長岡 萌映子(SF/トヨタ自動車アンテロープス)
#1 藤岡 麻菜美(PG/JX-ENEOSサンフラワーズ)
#7 水島 沙紀(SG/トヨタ自動車アンテロープス)
#8 髙田 真希(PF/デンソー アイリス)
#13 町田 瑠唯(PG/富士通 レッドウェーブ)
#15 本橋 菜子(PG/東京羽田ヴィッキーズ)
#17 三好 南穂(PG/トヨタ自動車アンテロープス)
#24 藤髙 三佳(SG/トヨタ自動車アンテロープス)
#30 馬瓜 エブリン(SF/トヨタ自動車アンテロープス)
#39 赤穂 さくら(C/デンソー アイリス)
#41 根本 葉瑠乃(SG/三菱電機 コアラーズ)
#52 宮澤 夕貴(SF/JX-ENEOSサンフラワーズ)
#88 赤穂 ひまわり(SG/デンソー アイリス)
#99 オコエ 桃仁花(SF/デンソー アイリス)
※所属は2018年8月3日現在