3x3

Wリーグの祭典で3×3オールスターゲーム開催
普及への大きな「きっかけ」に

2019年01月09日



文:大橋裕之/写真提供:Wリーグ

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3×3のオールスターゲーム開催
 東京オリピックで正式種目となった3×3の2019シーズンがいよいよ始まる。今秋には、男女各8枠の出場国のうち、4カ国の決定が控えており、5人制同様に注目度は高まるばかりだ。そんな3×3の昨シーズンを振り返ると、女子選手たちの躍動が思い起こされる。3×3.EXE PREMIERが世界で初めて展開した女子カテゴリーのリーグ戦は、大きな注目を集めた。さらに若き3×3日本代表は、アジア競技大会(2018年8月)と、FIBA 3×3 U-23 WORLD CUP(2018年10月)で表彰台へ。いずれも、Wリーグの現役選手やOG選手たちが、けん引の一翼を担った。

 そんな主役たちが、昨年末に開催された「Denka presents Wリーグオールスター 2018-19 in TOKYO」(2018年12月29日)内で、同リーグとして初の3×3ゲームとなる『ステーキハウス ブロンコビリーカップ 3×3 1Day トーナメント』に集結した。

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現役とOGが満喫した初共演のコート
 このエキシビションゲームで選手たちは、「武蔵中原イノーベーションズ」「穴守稲荷エアポーツ」「新栄町モーターズ」「安城トランスミッションズ」という4チームに分かれて対戦。チーム名はリーグ関係者によって名づけられ、彼女たちとゆかりのある地域や所属先を彷彿とさせるキャッチーなネーミングばかりだった。

 ゲームに目を向ければ、選手たちは終始リラックスしてのびのびとしたプレーを展開。ときに爆笑も起こるなど、観ている側以上にコート内は楽しそうだった。そしてチャンピオンボードは、馬瓜ステファニーと山本麻衣の現役2人をそろえた新栄町モーターズが掲げた。

 “先輩”矢野良子は「(馬瓜ステファニー、馬瓜エブリンがアンバサダーを務める)ブロンコビリーカップなので、自分たちが(優勝を)持っていけるといいね、という感じだったので、(現役には)好きにやってもらおうと思って」と、コメント。その想いの通り、後輩たちも「“普通にやってくれたらいいよ”というアドバイスもあって、楽しかったです(山本)」、「先輩たちが優しくて、3×3を自分たちよりも知っている方たちだったので教えていただくこともでき、すごく楽しくできました(馬瓜ステファニー)」と、初共演を満喫した様子だった。

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普及へは道半ば、これをきっかけに
 一方で、競技の普及や強化の整備はまだ道半ば。矢野はこの日を振り返り、「予想はしていなかったけど、3×3のカテゴリーを(オールスターゲームに)入れてくれるということだったので、ありがたいと思っています。同じバスケで、2020年東京オリンピックの正式種目。日本バスケットボール協会全体として、Wリーグ全体として、盛り上がっていければと思っているので、みなさんに知ってもらえるいい“きっかけ”になったのは良かったと思います」と話した。ただのイベントで終わることなく、これをステップとして、今後3×3をより充実したものにすることが、肝心だ。

 もちろん、そのための基礎は、着実に出来上がりつつある。彼女自身が昨秋、女子選手によるツアー大会『3W』(トリプルダブル)を立ち上げた。試合数の増加のみならず、日本が2020年の出場権をつかむために、国別ランキングを押し上げることができるよう、ポイントの獲得機会を創出した。

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 加えて、その熱意は他の選手へも波及している。森本由樹(穴森稲荷/TOKYO DIME.EXE)が  「良さん(矢野良子)を筆頭に、私たちが3×3を通して可能性を広げられることがあれば、少しでも力になりたいと思っています」と話せば、最新(※1)の世界ランキングで国内女子1位の前田有香(安城/BEEFMAN.EXE)も次のように話す。「強化のために自分ができることは、プレーをしてポイントを稼ぐこと。矢野さんがリーグまで立ち上げてくださり、日本のオリンピック出場というものに対して、女子をもっと盛り上げていこうという中で、その一員として参加できたのはすごく貴重な経験でした。もっともっと積み重ねて、私たちが(ベースを)作り上げ、東京オリンピックにつながればという思いで1年間やりました」。3×3シーンを作る、選手たちの想いは強く、その歩みはまだまだ加速していきそうだ。※1=2018年12月23日

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ALL TOGETHER
 今シーズンの3×3は、春から代表活動が始動。ASIA CUPやWORLD CUP、アンダーカテゴリーの国際大会が控えている。実戦経験を積む場として、合宿だけでなく、『3W』をはじめとした国内のゲームに進出してきてほしいところ。即席チームで昨シーズンはU23世代が結果を残しているだけに、継続的に切磋琢磨できる場は強化にもなり、国内のレベルアップにもつながるはずだ。

 他方、『3W』が残り7戦のレギュラーラウンドを再開。5月にはFINALを控える。「場所は押さえられつつあるんですけど、資金面はまだ十分ではなくて、これからスポンサーを獲得しに行くところです」と、矢野は運営面での苦労を明かした。

 男子に比べると、環境整備を急ピッチで進めなければならないという危機感を持ち、自ら3×3でのオリンピック出場をモチベーションに、3×3の新たなステージを開拓してきた矢野。その気持ちと行動力があれば、きっとこの難局を切り抜けることができるだろう。

 3月にトレッサ横浜で開催される『3W』では、矢野を中心に熱い想いを持ち寄る選手たちが出場する。ぜひ、3×3のゲーム観戦をオススメしたい。今回のWリーグオースターのテーマ“ALL TOGETHER”のようなシーズンを、皆で一緒に作り上げていこう。