島田慎二氏が次期チェアマン候補者として決議
覚悟をもって取り組む理念とは

2020年06月10日



文:川西祐介/写真:B.LEAGUE

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 B.LEAGUEは6月10日に行った臨時会員総会で、島田慎二氏を次期B.LEAGUEチェアマンの候補者たる理事として決議した。16日の理事会をもって正式に決議され、7月1日より大河正明現チェアマンの後を継ぐことになる。

 これを受けて島田氏が会見を実施。当初オンラインでの開催を予定していたが、就任にあたっての自身の考えを伝えるには、直接の方が良いと島田氏自身が考え、会見場を設けての実施となった。チェアマン就任に向けての熱意をできるだけそのままの形で伝えたいとの強い気持ちだったのだろう。

 会見で島田氏は、チェアマン就任への打診があったのは、4月頭であったことを明かした。当初は驚き、また新型コロナウイルス感染拡大という難しいタイミングということも理解していたが、請けることを即答したという。

 この難しいタイミングで請けたことについて島田氏は、「大変だからこそ請けた方がいいと思ったのが本音です。25歳で起業して経営者となってまもなく25年、その間さまざまな業態で、アメリカ同時多発テロやSARS(重症急性呼吸器症候群)、リーマンショックといった危機に見舞われながらも乗り越えてきた経験があります。また、8年半前に厳しい経営状態にあった千葉ジェッツに携わり始め、そこから少しずつ経営改善し、今のクラブの水準にベースを引き上げることができました。それらに比べても、現在の世界の状況は厳しいとは思いますが、大変なことを過去に多々乗り越えてきたという経験を活かせると思い、火中の栗を拾おうと思いました」と理由を述べた。

 続けて、「bjリーグからNBLに転籍し、そしてB.LEAGUEと3つのリーグを渡り歩いた経験があるのは、私だけかなと思います。その間に少しずつファンを増やし、チームを強化し、富樫勇樹との1億円での契約に至るなど、危機からの成長フェーズというさまざまな経験をしてきました」と、とくに千葉での経営が、チェアマンとして、各クラブが持つさまざまなフェーズの悩みに、何かしら役に立つことがあるのではないかと考えたことも、就任への決意につながった。

 B.LEAGUEのみならず、スポーツ界、社会全体で危機にあることは間違いないが、だからこそ、「B.LEAGUEを通して社会にメッセージを伝えたい」という覚悟でチェアマンとしての仕事に臨むという。そして、現状での目標として、「B.FAMILYでコロナに打ち勝つ ”Beyond コロナ“」を掲げた。これは、新型コロナウイルス発生前の状況に戻るのではなく、B.LEAGUEの新しい社会的意義を構築することを志して、これから取り組んでいくということだ。

 さらに島田氏は、JBLの「バスケで日本を元気に」という理念を実現するために、昨季の終盤戦中止によって経営環境が厳しい各クラブをひとつも破綻させないということをいちばんのミッションに挙げた。ファンやスポンサーのことを最もわかっているのはクラブであり、だからこそクラブが存続し、成長することが基礎になる。そしてクラブの成長がリーグの発展につながり、それによって得たリーグの利益をバスケ界に還元することで、“バスケで日本を元気に”を実現するという。

 社会はコロナ以前と以後で状況が大きく異なるが、それはB.LEAGUEにとっても同じことで、このタイミングでのチェアマン就任は本当に難しい舵取りになることは間違いない。しかし、島田氏にはこれまでの自身の経験を糧に、この状況でもB.LEAGUEをさらに発展させてくれることを期待したい。