ワールドカップの経験を成長につなげ
MVPを獲得した田中大貴

2020年05月10日



文:川西祐介/画像:B.LEAGUE

コメント 2020-05-10 193254

 2019-20シーズンのレギュラーシーズンMVPに選ばれたアルバルク東京の田中大貴が、B.LEAGUE AWARD SHOW配信後にオンライン記者会見に臨んだ。

 受賞の瞬間の気持ちについてあらためて問われると、「今まで受賞できていなかったですし、シーズンが途中終了という中で評価していただいて受賞できたのはありがたいと思います。また、もっともっといい選手にならないといけない気持ちにしてもらえたことで、感謝もしています」と答えた。

 昨季もベストファイブに選出されたのだが、それには自身の中であまり納得はできていなかったという。しかし、今季はより成長して、いいパフォーマンスをしてアワードの舞台に戻ってこられたと感じており、その理由として、「アジアチャンピオンズカップに優勝してシーズンが始まり、シーズン中もけがなどで主力が抜けたりする中、東地区優勝もできた」ことをあげた。

 とくに、東地区優勝については、「途中終了というイレギュラーな状況ではありましたけど、年々レベルアップしている東地区にあって、1試合も落とせないという思いで戦ってきて、優勝という結果を出したのは自信を持っていいと思います」と評価した。

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 強い思いを持ってシーズンに臨めたのには、ワールドカップを経験したことが大きく影響しているようだ。「フィジカルの部分だとか強度高くプレーすることといった、日本代表が感じた課題は、ワールドカップを経験したメンバーの一人として、リーグに還元しないといけないという気持ちを持って開幕をむかえました。シーズン中も、戦いの場はB.LEAGUEですけど、頭の片隅で常に世界の舞台を意識していて、どんなにいいパフォーマンスをした試合の後でも、これで世界に通用するのかと振り返るようになりました」。

 そうした意識を持ち、常にステップアップを考え続けてプレーしたことが、MVP受賞につながったのだろう。だが、田中は選手としてまだまだ満足はしないという。「MVPをいただいて嬉しいです。でも、今の僕が世界レベルの大会に出るとどれだけのものなのか。未熟な部分もあると思う。だから、自分が満足できるように、世界を舞台にした大会で結果を出したいと思っています」。

 世界の舞台での結果は田中自身の目標でもあり、日本代表での目標でもある。「世界の舞台で、日本代表の勝つ姿を皆さんに見せたいと思っています。ワールドカップ出場で、ひとつステップアップできたと思いますが、出てみると未熟だなと本当に感じました。自分たちだけでなく、これから若い世代の選手たちが、日本のバスケを強くしていってくれるためにも、今、自分たちが結果を出すことがすごく重要だと思っています」。

 ワールドカップを経験したことで、高い意識を持って臨んだ今季、MVPを獲得した田中大貴。来季終了後には延期された東京オリンピックという舞台がある。そこで勝利という結果を出すために、来季もまた自身のレベルアップを図るはず。そのハイレベルな田中のプレーを見られることを楽しみに、来季開幕を待ちたい。