”圧倒的な強さで絶対にB1へ”
仙台が桶谷HCと契約更新

2020年04月18日



文:川西祐介/写真:仙台89ERS

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 仙台89ERSの桶谷大HCはクラブとの契約を更新し、来季も指揮を執ることになった。

 桶谷HCの就任からの2シーズンを振り返ってみたい。クラブ体制が変わった2018-19シーズンに就任すると、澤邉圭太や新号健、白戸大聖ら若手に、月野雅人らベテランを融合させたチーム作りに着手。若手らの成長を促しながら、B2優勝・B1昇格を目指した。主にディフェンスを強化したチームは、2017-18シーズンから勝ち星をほぼ倍増の40まで伸ばしたものの、B2全体で6位とプレーオフ出場を惜しくも逃してしまった。

 そして、2019-20シーズンは、片岡大晴や金城茂之という勝負所を知るベテラン、臼井弘樹という日本人ビッグマンを補強。チームの柱となるまでの成長を見せた、先の若手3人と見事に融合させ、チームを躍進させた。キャプテンである月野や活躍を見せた金城の故障による離脱がありながらも、失速することなく群馬クレインサンダーズとの東地区首位争いを続けた。さらに、プレーオフでの戦いを見据え、エリック・ジェイコブセンを迎え入れ、決戦への準備を着々と進めているところだった。

 そんな、まさにこれからという時に、新型コロナウイルス感染拡大により、シーズンが途中終了となってしまった。47試合経過時点で35勝12敗、勝率74.5%はbjリーグ時代を含めても、仙台史上最高勝率で、東地区優勝を決めた。しかし、B2全体成績では3位。上位には中地区優勝の信州ブレイブウォリアーズと西地区優勝の広島ドラゴンフライズがおり、この両クラブにB1クラブライセンスが認められた場合、仙台は来季もB2を戦場にすることになる。

背水の陣で臨む3シーズン目
 まだ来季のカテゴリーが決まらない中でのクラブからの続投のオファーは、桶谷HCに対する信頼の大きさに他ならないだろう。3月28日という早い段階での打診に、桶谷HCもオンラインによる会見で、「もう少しでB2優勝というところにきて、シーズンが途中で終わってしまったことに納得できていないところがありました。そう思っている時に、クラブから『もう一度、桶さんとB2優勝目指して戦いたい』と言ってもらえたことに感謝しながら、オファーを請けました」と、契約更新について話した。

 しかし、これまでは2年契約だったが、延長は1年だけ。このことについて桶谷HCは、「3年かけてB1に行けないのであれば、チームから去ったほうがいいという思いがあったので、1年としました。とはいえ、絶対に来季B1に上げる。その気持のほうが強いです」と、その理由を述べた。この言葉から、ここまで見てきたチームの成長と強さに手応えを感じていたことがわかる。

 その手応えの強さは、来季どんなチームを目指すのかという質問に対する答えにも現れていた。「7割以上の勝率で東地区優勝はできました。しかし、信州と広島は8割以上の勝率で群を抜く強さ。彼らとはまだ差があった。僕たちも来季はそういうチームにならないといけない。でも、今季のロスターは若手が成長し、いいベテランが揃っていて、非常に層が厚かった。そこに、新戦力として加わったジェイコブセンや渡辺翔太がフィットすれば、優勝できる自信がありました。来季はこの力を継続して臨むことで、圧倒的な強さをみせつけられると思っています」。この自信の言葉がすんなり受け入れられるほど、今季の仙台には安定した強さがあったのは事実だ。

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 来季圧倒的な強さを見せるために、どんなチームを作るのかを訊かれた桶谷HCは、「2シーズンかけてディフェンスを強化してきたことで、安定して戦うことができるようになってきたと思っています。来季はオフェンスをさらに強化したい。とくに、選手たちの特長を活かしたオフェンスを組み立てていく。これをシーズン序盤からできるように準備します」と、意気込みを話してくれた。さらに、この2シーズンは“チームとしての成長”も考えての指揮だったが、「一戦必勝を目指す」と、より貪食に勝利を狙っていくという、力強い言葉も出た。

 4月24日にリーグより発表される予定の、クラブライセンスの交付次第のところはあるが、仮にB2残留となっても、仙台というクラブ、応援してくれるブースターを「大好き」と言う桶谷HCが指揮を執る限り、来季も仙台がB2の優勝候補のひとつとなることは間違いないだろう。