常に高い目標に挑むのがプロ
チームと自身の成長を見据える遥天翼

2019年12月18日



文:hangtime編集部/写真:東京サンレーヴス

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 11月30日、12月1日の2日間、ブレックスアリーナ宇都宮において「第95回天皇杯・第86回皇后杯」の2次ラウンドが行われた。シードとなるB1の18クラブと、前年度の成績をもとにB2の上位5クラブがこの日から登場。B3のクラブは2次ラウンドに向けて1次ラウンドを勝ち上がらなければならず、東京サンレーヴスもその1つ。

 宇都宮ブレックスと対戦し、115‐71で大敗したが、シーズン中にB.LEAGUEの強豪と対戦できるのはこの時しかなく、チームの成長、選手の成長を考えれば胸を借りるいいチャンスとなる。結果を受け入れながら、B3のレギュラーシーズンでの巻き返しにつなげたいところだ。

“ハングリー”は成長の糧
 試合後(11月30日)、チームを引っ張る遥天翼に話を訊いた。中国生まれの彼は元中国ナショナルチームのキャプテンを父に持ち、早くから頭角を現した。福岡第一高校時代にインターハイ、ウインターカップで優勝を経験し、東海大学進学後も主力として活躍。2年生の時に日本国籍を取得し、大学卒業後は三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋、熊本ヴォルターズ、新潟アルビレックスBB、ライジングゼファー福岡を経て、今シーズンはB3の東京サンレーヴスでプレーしている。

──このチームでの役割、モチベーションをどう意識していますか?
 「シーズンから今までずっと変わりませんが、すべてにおいて貢献したい。というか、貢献しなきゃいけないと思っています。ディフェンス、得点、リバウンド……攻撃の起点になることもそうですし、すべてにおいて中心的な存在になりたいですね」

──B1で経験してきたこと、これまでのキャリアを活かさなければ、ということですね。
 「B1でプレーしたプライドも含めて、経験を活かすこと。B1との違いでいえば、細かなところをいかに突き詰められるかどうかが重要です。誰かに言われたからやる、というのではなくて、選手自身の気づきというか、そういうところは僕がコートで見せたり、アドバイスできればと思っています。ヘッドコーチからもどんどん伝えてほしいと言われています」

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──練習環境など厳しい面もあると思います。個人のトレーニングなど工夫が必要だと思いますし、食事を含めた体調管理などはいかがでしょうか?
 「どういう環境であれ、プロですから、そこにアジャストしていくことが求められます。上手く時間を作ったり……個人的に心掛けているのは、まずは疲労を貯めないように気をつけています。ケアに時間を割くとか、自主練にしても1週間ぐらいのサイクルを考えて計画します。『この日はケアに集中しよう、この日はシュートの打ち込みを多めにしよう』とか。自己管理、自己研鑽はどんな環境でも重要になります」

──B3は今シーズンから1ステージ制になり、対戦相手も増えました。B2への昇格は狭き門で、その点では厳しさがありますね。
 「ライセンスの関係でどんなに頑張っても、来シーズンはB2昇格ができません。そういう意味では、選手たちのモチベーションの維持は難しいところもあります。ただ、僕もそうですが、チームの勝利に貢献し、その上で個人スタッツもきちんと残していくことが大事です。それは誰もが考えることでしょうし、モチベーションとしても重要だと考えています。チームの成長はもちろん、自分の成長や将来につながりますからね。ライセンスのことは選手がどうしようもできないことで、あくまでコートで結果を残すこと。そこにフォーカスしなければならないと思っています」

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“貪欲”は成長の源
──ここまでを振り返って、ご自身のコンディションやスタッツはいかがでしょうか?
 「現時点ではチーム2位、リーグ全体で日本人選手トップの得点アベレージを記録しています(平均16.6点)。そこをさらに上乗せして、平均20点を目指しています。そこはハングリーにアグレッシブなプレーを遂行しなければいけないと思っています」

──これまで培ったものを、今の環境の中で最大限発揮しながら上を目指す。チームを引っ張っていくということですね。
 「試合に長く出させていただいている分、責任はありますが選手としては試合に出てナンボですから楽しいです。コンディションも今は悪くないです。今の平均プレータイムが30分から35分ぐらいあるので、ゲームで必要な体力がついています。それは練習では培えないものなので、目には見えない体力というか、実戦向きの体力が上がっていると実感しています。最近では試合の終盤になっても走り切れるようになりました」

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 チームではピカ一の経験値があり、これまで積み上げてき実績も申し分ない。31歳となり、このチームではベテランの域だが、若さは保ったまま。インサイドでの得点力やリバウンド、時には視野の広さを活かしたアシストも見せるが、綺麗なループを描くアウトサイドシュートは観る者を魅了する。たとえ外国籍選手の長い腕が伸びてきても、そこはフェイダウェイでかわし、反撃の狼煙を上げることもしばしばだ。長いシーズンを戦った先に見えてくる、次なるステージをしっかり見据えながらチームを引っ張り続ける覚悟だ。