B2ライセンス交付に向けて
バンビシャス奈良の財務課題と進捗

2019年11月27日



文と写真:川西祐介

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 11月26日、奈良市内にて、バンビシャス奈良がクラブの財務状況について会見を開いた。会見では、B.LEAGUEの2020-21シーズンのB2クラブライセンス交付の条件クリアに未達の状況で、来年3月のクラブライセンス判定に向けての課題と、これを解消するための取り組みと進捗について、加藤真治社長より発表があった。

 クラブライセンスの交付には、債務超過があってはならない規定があり、B1クラブにはすで適用されている。B2クラブについては2020年6月決算までの猶予が設けられていたが、B2クラブも今シーズン終了時には債務を解消していなければならず、奈良はこの点が課題となっている。

 奈良は2018-19シーズンに初めて約1,000万円の単年度黒字を達成したが、クラブ創設以来の債務超過額が19年6月決算時にまだ約4,000万円。加えて今シーズンの開幕前、トップパートナー3社が抜け、これにより約3,000万円の減収が見込まれ、この時点で、債務超過と減収分の合計約7,000万円の解消が必要となったのだ。

 これを受けて奈良は9月、4,000万円の増資と収支改善によって、この大きな課題解消を目指すことを発表していた。26日の会見時点での進捗は、増資については、すでに3,000万円を超える増資引受が確定し、最終的な目標額である4,000万円という額もクリアの見込みが立ったとのこと。しかしながら、収支改善については、いまだトップパートナーを得ることができておらず、約1,000万円の改善にとどまっているという。そのため、課題克服には、あと約2,000万円の改善が必要な状況にある。

 ここまで約5,000万円の改善があったとはいえ、来年3月のクラブライセンス判定でB2クラブライセンスの交付を受けるために、さらに約2,000万円の改善が必要であり、時間的にかなり厳しいのも事実。リーグもこれを危惧し、25日のB1・B2全クラブの昨シーズンの決算発表より前、17日にリーグのライセンス担当所管役員である浜武専務執行役員による会見を奈良のホームゲーム前に開いた。そして、その場で「奈良へのB2ライセンス交付はこのままでは非常に厳しい」と述べたことから、ハードルの高さがわかる。

 加藤社長は、「ここまでの増資については、個人の方々の引受によっています。奈良の取り組みに共感していただいて、増資していただきながら、赤字経営やB2クラブライセンスを得られないなどの事態は許されません」と語り、当然この高いハードルのクリアを諦めていない。

 選手たちにもこうした状況は伝えられており、選手はブースターを惹きつけるプレーやファンサービスをすることで、集客に貢献し、チームの収支改善に協力する意気込みを見せている。

 今後の改善取り組みとしては、B1・B2全クラブの中で唯一決まっていないユニフォームの胸スポンサーを見つけることが重点課題となるだろう。奈良は、B2クラブライセンス交付に向け、引き続き、チケット収入増やグッズ販売増といった施策に、フロント、選手、クラブ一丸となって取り組んでいく。