令和はバスケだ
B.LEAGUE B1 4シーズン目開幕

2019年10月04日



文:hangtime編集部/写真:大澤智子

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 昭和はプロ野球、平成はJリーグ、そして『令和は、バスケだ。』を謳い文句に、4シーズン目のB.LEAGUEが開幕した。B1“THE”GAMEと銘打たれたオープニングゲームが行われたのは過去2シーズン、ファイナルの舞台となった横浜アリーナ。対戦カードは、初年度のファイナルと同じ顔合わせ、川崎ブレイブサンダースvs宇都宮ブレックス。

 試合前、プレス席で配られた、この試合のエントリー申請書はともて興味深いものだった。宇都宮はキャプテン田臥勇太が今シーズン初の公式戦出場、ホームの川崎はケガが心配されたキャプテンの篠山竜青の欄に○印が付けれていたからだ。リーグを代表する2人のポイントガードがどうのようなゲームメイクでチームをリードするのか、それが勝敗を分けるポイントの1つになると予感させた。

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 もう1つのポイントは、昨シーズンとロスターがほとんど変わらない宇都宮に対し、川崎は大阪エヴェッサから移籍の熊谷尚也がスタートに起用されたこと。熊谷とともに大塚裕土が富山グラウジーズから加入し、外国籍の2選手も入れ替わった。指揮官が北卓也から佐藤賢次に代わり、ベンチスタッフも一新された川崎には“新しい血”が流れている。一方の宇都宮は意思疎通を図りながら、練り上げれた連係の良さがが強みのチームなのだ。

 注目の1Qは互いに硬さがあるのか、シュートがなかなか決まらない。フィールドゴール成功率はともに30%以下と低調で、川崎がリードするも15‐13というスコア。田臥は3分弱の出場にとどまり、2Qは出場がなかった。

 2Qのスコアは18‐18と同点ながら、フィールドゴール成功率を40%に乗せた川崎に対し、宇都宮は30%のまま。リバウンドは川崎が29本(うちディフェンスリバウンド23本)だったのに対し、宇都宮19本と後手に回り、点差こそ1ゴール差ながら、徐々にペースは川崎に傾きだした。

 

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 迎えた3Q、宇都宮は田臥がコートに戻った。が、結局この試合のプレータイムは計7分で、まだ本調子ではないようだ。一方の川崎は篠山がケガの不安を払しょくし、周りの選手たちもノビノビとプレーし始めた。新加入の4選手は、既存の選手とスターターを争い、確実にベンチの層は厚みを増している。ディフェンスなどは、“伝統”のある川崎のシステムを完全に消化しているわけではないが、自分の得意なプレーで積極性を見せ、十分にアピールできたのではないだろうか。

 このクォーターはゾーンディフェンスを織り交ぜ、「オンザコート3」で高さを活かした川崎がリードを9点(54‐45)と広げ、主導権を握った。

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 4Qも川崎は高さを活かし、インサイドを支配する。終わってみれば78‐57の大差で川崎が勝利を決めた。リバウンドで圧倒(51:35)すると、ペイント内で40得点と半分以上を占め、フィールドゴール成功率は50%を超えた。一方、宇都宮はもう1人のPG、鵤誠司をケガで欠いたことが響いた。自分たちのリズムを作れないまま、「いつもの」プレーを披露することはできずじまい。ただし、ターンオーバーは川崎の19に対し9と少なく、堅実さはいつも通り。スカウティングの面でも川崎の変化を十分に分析する時間はなかったはずだ。課題は見えたが、その修正にさほど時間はかからないだろう。

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 試合後、記者会見に現れた両チームのヘッドコーチ、選手たちが強調したのは、この試合は「60分の1」に過ぎないということ。残りの59試合で挽回は可能であり、逆に苦境に陥ることもあり得る。ただ、いろいろなことを試しながら勝った川崎は大きな収穫を得たことは間違いない。

 この試合、25分29秒のプレータイムで19得点、3アシストの篠山は相変わらずのリーダーシップを発揮した。ケガの回復具合を問われると、「見ていただいた通りです」と順調な回復をアピールし、「いい内容でしたがここが最低ライン。あとは伸びしろしかありません」と、そのコメントも篠山の強気な一面がうかがえた。

 先のワールドカップ、来夏の東京オリンピックに絡めて、今シーズンの意義を聞かれた際も、「まずは川崎の優勝、それしか考えていません。その結果の先に、来年の東京オリンピックあると思っています」と、B.LEAGUE初制覇への並々ならぬ決意と覚悟を言葉にした。

 篠山が言う通り、日本代表の面々は世界との差を痛感してB.LEAGUEに戻ってきたのだ。まずは自分のチームをいかに優勝に導くか、その力量が問われるシーズンであろう。日常であるB.LEAGUEでの切磋琢磨が、日本バスケを世界基準へ押し上げる大きな支えになるのは言うまでもない。

 今週末、すべてのチームが開幕を迎えるが、果たしてどのチームがオリンピックイヤーのB.LEAGUEを制し、誰が日本代表としてオリンピックのコートに立つことができるのか、その答えを見定める、とても楽しみなシーズンが始まった。

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