B3リーグが開幕
ベルテックス静岡はホーム開幕節を1勝1敗

2019年09月16日



文と写真:川西祐介

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 全国でアーリーカップが始まった9月14日、B3リーグが開幕を迎えた。

 B3リーグは昨シーズンまで、ファーストステージとレギュラーシーズン、ファイナルステージと3つにリーグ戦が分かれていたが、2019-20シーズンはB1やB2と同じく、60試合を通してレギュラーシーズンを行うように変わった。これによって、アイシン・エイ・ダブリュ アレイオンズ安城と豊田合成スコーピオンズも60試合を戦うようになった。

 さらに、ベルテックス静岡とトライフープ岡山、佐賀バルーナーズの3チームが新たに加わったのもトピック。

オレンジ一色の中で歴史的な1戦が幕を開ける
 この新規参入の3チームのうち、リーグ開幕戦をホームで迎えたのが静岡。この日、ファンには静岡のチームカラーであるオレンジのTシャツが配られたこともあり、静岡市中央体育館はオレンジ一色となった。チームにとっても、ファンにとっても、待ちに待ったホーム開幕戦だ。

 迎えた相手は昨シーズンのレギュラーシーズンで7割近い勝率を残したアイシンAW。確かな実力を誇る好チームとはいえ、今シーズンは外国籍選手がおらず、“高さ”の部分では静岡に分があると思われていた。

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 静岡にとって歴史的な1戦のスターターは、大石慎之介と大澤歩という静岡出身の両ガード、シュート力のある近藤崚太、ブライアン・ヴォールケルとローション・プリンスの外国籍選手という5人。

 しかし、試合はアイシンAWが先制する。初の公式戦ということもあり、固くなったのか静岡は立ち上がりいいところなく、開始2分弱で最初のタイムアウトをとることに。

 静岡の初得点は近藤の3Pシュートだった。これで会場のボルテージが上がり、ここから流れが変わるかと期待された。しかし、アイシンAWはそれを許さない。ピックアンドロールを起点に、ボールも人もよく動き、リードを広げていく。リバウンドやルーズボールへの飛び込みなど泥臭いプレーでもアイシンAWの気持ちが勝っていた。結局最初のクォーターは、16-26と10点のビハインドを静岡は背負うことになった。

 続く2Qも、静岡はインテンシティが上がっていない印象で、1対1で抜かれたり、ボールへのプレッシャーが緩かったりとディフェンスでいいところがない。有利であるはずの、インサイドの外国籍選手2人を上手く活かせないもどかしさもあった。34-48とさらに点差を広げられてハーフタイムを迎えた。

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  しかし、そのハーフタイムで自分たちのゲームプランを思い出し、プリンスにボールを集めると、それまで大人しかった彼がインサイドで相手ディフェンスを圧倒していく。ポストプレーだけでなく、マークマンが下がれば、バンクショットを決めるなど、このクォーターだけで14得点。また、前半ファウルトラブルに陥っていた大石が、アイシンAWのポイントガードへのプレッシャーを高め、リズムを崩すことに成功。58-61と3点差までつめた。

 この追い上げ劇に、ファンの声援も一際大きくなり、チームを後押しする。4Qに入ると、大澤、プリンス、ヴォールケルの連続得点でついに逆転に成功する。しかし、ここから静岡の若さ、経験のなさが出てしまう。最終クォーターだけで、この試合全体で喫したターンオーバーの半分以上の数となる8ターンオーバーをしてしまい、アイシンAWに再逆転され、初勝利はお預けとなった。

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 試合後の会見で大石は「試合の入りが悪かった中、試合中でアジャストして逆転までできたのは良かった。ただ、それだけに勝てた試合を落としたという思いが強い」と悔しさを滲ませた。しかし、「下を向いている時間はない、すぐに切り替える」とすぐに2戦目を見据えていた。

 大澤は「勝たないといけない試合だった。この試合で、リーグ戦の難しさを再確認することができた」とこちらも反省の弁を述べた。

 しかし、後藤祥太ヘッドコーチも含め、3人の口から揃って出たのは、「会場がオレンジに染まったことに、感謝したいし、声援が本当に力になった」ということ。日曜日の試合での初勝利に向けて意気込みは十分だった。

 最終的に負けたとはいえ、序盤に大きく離されながらも、試合中に修正し、一時逆転することができたというのは若いチームにとっては収穫だろう。また、諦めることなく戦う姿勢を見たファンの目にも、応援したくなるチームとして映ったはずだ。そういう意味では、チームの成長に糧となる初戦だった。

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初戦の課題を修正して初勝利
 その静岡、続く2戦目でさっそく初勝利をあげた。初戦とは違い立ち上がりから9-0のランでリードを奪った。1Qはディフェンスでも相手を圧倒して、アイシンAWを6点に抑える。続く2Qも攻撃の手を緩めることなく、アドバンテージである高さを活かし、プリンスとヴォールケルの外国籍選手にボールを集めるバスケを展開し、前半を40-27のふた桁リードで終える。

 後半3Qは相手の反撃を受け、このクォーターは10-20と詰め寄られたが、一度もリードは許さない。最終クォーターでもう一度引き離す力強さを見せ、70-60でフィニッシュ。地元ファンに初勝利をプレゼントした。

 大澤が初戦の後に語った「連敗はない。最低でも1勝1敗」という言葉通りの結果を残すことができた。両日1500人以上のファンによる後押しも、力になったことは間違いないだろう。

 試合を通して感じたのは、負けていても試合を諦めないという静岡の姿勢。この姿勢でシーズンを戦い続けることができれば、B3で台風の目になるのではないだろうか。今後の戦いぶりに注目したい。