宮田諭と齋藤豊、長谷川武らベテランが語る
自身のキャリア、プロとアマ、そしてB2での戦い(第3回)

2019年09月13日



まとめ:川西祐介/写真:皆人公平

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 今シーズンからB2で戦う東京エクセレンスと越谷アルファーズ。ともに現在は「プロ」だが、東京EXはクラブチーム、越谷は実業団チームとしてNBDL時代から切磋琢磨してきた。運営スタイルは違っても、どこか似通った道を歩んできた2チームに長く在籍する宮田諭、齋藤豊(東京EX)、長谷川武(越谷)が顔を合わせ、自身のキャリアを振り返りつつ、B.LEAGUE時代における“プロとアマ”、そしてライバルチームについて語り合った。ベテランと呼ばれるまで長くプレーを続けている分、いろいろなカテゴリー、立場でバスケに取り組んできた3人。彼ら“ならでは”の話題に広がった(全3回)

=第3回=
――NBDL時代から何度も対戦してきた両チームですが、これまでで印象に残っている試合はありますか?

齋藤「印象に残る試合というか、やっぱり意識はしますね。長谷川選手がいるし、ちょっと戦いにくいなというのは、正直あります。毎回、『アルファーズかー』って(笑)」

宮田「それはある」

――アルファーズのなにがそう思わせるんですか?

齋藤「長谷川選手、イヤですよ」

長谷川「なんで?(笑)」

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宮田「実際、アルファーズと戦う時は、誰が長谷川選手につくかで議論になるんですよ」

齋藤「オレはイヤだよ」

宮田「サイズ的には齋藤なんですけどパワーで負ける。じゃ、パワーがある長澤(健司)がつくと今度はサイズでやられる。じゃ、外国籍選手がってなると、アウトサイドに引っ張り出されて、ウチのインサイドのディフェンスが弱くなる。ゾーンディフェンスにすると、トリッキーなパスを出されてアリウープ……“長谷川選手どうする?”って。
 だから最近はあきらめているところはあります。全部を守ることはできないので、どこかは割り切るしかない。普通はそれが外国籍選手のところになると思うんですけど。アルファーズが相手だと長谷川選手をあきらめて、外国籍選手を全員で守ることもあります」

――逆に長谷川選手はエクセレンスとの試合はどう感じていましたか?

長谷川「楽しいですね、やっぱり上手いしバスケがきれい。僕がイメージしているバスケに近いというか、だから気持ちも入るし、有名な宮田選手、齋藤選手もいるので、対戦したいって思っていました。正直負けても悔しいというよりは、次はこうして戦おうとか考えていますね。もちろん、勝った時は嬉しい」

――NBDLからB3へ舞台を変え、今度はB2です。感慨や縁を感じたりしませんか?

宮田「そうですね。とくに長谷川選手は、オーエスジーでルーキーの時から知っています。トヨタを辞めてエクセレンス(クラブチーム時代)に復帰した時、天皇杯の東京都大会決勝の相手が大塚商会。その時彼がいて、負けてしまったんですけど、なんでいるんだよって(笑)
 チームとしても縁はあるし、楽しみですね。よく知っているメンバーがお互いにいるんで、これまでの積み上げがありますから、その中でどうやって戦うか。やっぱり楽しみですよね」

齋藤「イヤな相手だからこそ、どう戦えばいいか一生懸命考える。普通に戦っているだけじゃ、勝った負けただけになると思いますけど、やっぱりライバルというか、意識してやっていると、自分の成長にもつながっている。そういう意味ではすごく育てていただいたなって」

――長谷川選手は齋藤選手とのマッチアップはどうですか。

長谷川「楽しいですね。シュートが得意だからそれを止めようと頑張って、次はドライブを止めることを頑張る。できた時はテンションが上ります。外国籍選手のジョーダン・フェイゾンとのマッチアップも好き。本気で向かってきてくれるんで」

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――B2を戦う上で両チームともロスターに大きな変化がないのは強みとなるでしょうか。

宮田「両面あるかな。強化部長としての僕に対して、周りからは『B2に昇格したのに補強しなくて大丈夫?』ってよく言われます。本来はすべきなのかもしれないと頭に浮かんだりしますけど、これはもちろん、選手の自分とは別の目線。
 長く同じメンバーでやることで、お互いを理解している良さってあるし、B2に上げてくれたメンバーにチャンスがあっていいという考えなんです。だから、タレントがないところをチーム力でどれだけ補えるか、勝負のシーズンになると思っています。ただ、結果を出さないと大変なことになるので、正直怖いなっていう気持ちもありますね。どう?」

齋藤「ファン、ブースターの方々に応援してもらって、昇格を勝ち取ったメンバーですし、B3優勝メンバーがB2でどこまでできるのか、個人的にはすごく楽しみです。
 実際このオフの2カ月くらいで、チームメイトのレベルが飛躍的に上がっている。みんなそれなりに危機感を持っているのか、希望を持っているのか、チャンスだと思っているのか、やってやるっていう意気込みなのか、それぞれパワーアップしていて、僕も追いつけないくらいだから、すごく楽しみです」

長谷川「B2になると登録メンバーが少なくなるので、ウチの社員選手はベンチ入りを目指して、すでにカラダができている。少しびっくりするくらい」

――カテゴリーが上がるうえで、どう戦う必要があるでしょうか。

宮田「ウチの場合は外国籍選手までまったく一緒。樋口(大倫)が入りましたけど、アイツも元々ウチにいたから、やることはそんなに変わりません。齋藤が言ったように、個々がレベルアップすることと、チーム力をブラッシュアップすることが必要です。あとは対戦相手が変わるので、そこは石田(剛規HC)と早水(将希AC)が一生懸命考えていると思います。おまかせです(笑)」

齋藤「戦い方というか、多分楽しくなると思うんですよ。今までよりも相手のレベルが上がるので、これまで80%や100%の力でできたプレーが、120%、150%出さないとできなくなる。そうすると無意識のうちにみんながレベルアップするんじゃないかな。まだシーズンが始まっていないのに、パワーアップしているのもそういうことだと思います」

長谷川「ウチはまだ外国籍選手が合流していなくて(インタビュー時)、日本人選手だけで練習している段階です。日本人選手は目に見えてレベルアップしている。あとは外国籍選手が来てから、どう組み込むかをよく考える必要があります。そこでさらにレベルアップできれば、B2でも十分に戦えると思っています」

――新シーズンのチームの目標と個人の目標を教えてください。

宮田「新シーズンからルールが変わって、プレーオフの出場枠が増える(4→8)じゃないですか。チームの目標としてはその出場争いに絡むことを掲げているので、そこにたどり着けるように頑張ります。
 個人としては、毎年思っていることなんですが、選手なのでケガとか、力が足りなくなって引退することが十分ある中で、結果60試合出られたらいいし、出られなくても一生懸命やりたい。練習しないと下手くそになるし、カラダも動かなくなるから、毎日健康に、練習を必ずするというのが目標です。バスケを楽しくやりたい」

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齋藤「いつも個人的な目標は立てないんですけど。恥ずかしい思いはしたくないので、レベルが上がろうが何しようがちゃんと戦えるようになること。負けるのも嫌なので、勝つように頑張ります」

長谷川「チームにとってB2は1年目、みんな初挑戦ですから、やってみないとわからないですね。正直、降格だけはしないこと。昨シーズンのプレシーズンでは、信州ブレイブウォリアーズとやって、ボロ負けしました。今シーズンのホーム開幕戦の相手がその信州なので、まずはそこでどれだけやれるか、っていう感じですね。
 個人としては、相手の外国籍選手や日本人ビッグマンに、マッチアップするのが嫌だなと思われる選手になりたい。それで名前を覚えてもらいたいですね」

――では、最後にファンにひとことお願いします。

宮田「せっかくこういう対談もしたし、面白い2チームだし、同じ中地区だし、ぜひ観に来てほしいです。B3から昇格して、ある意味B3代表の2チームが、B2でこれだけやれるっていうのを観てほしい。僕たちのファンだけじゃなくて、B3でプレーする選手みんなの物差しになるとも思っていて、カテゴリーの壁ってそんなに高くないということを証明したい。エクセレンスとアルファーズを応援してください。あと、降格しなかったら、シーズン後にまた取材してもらえると思っているので、その時はよろしくお願いします」

齋藤「さっき社員選手の話が出たので(第2回)、社員選手がB.LEAGUEでどれだけできるのかっていうのを観てほしいです。また、チームも僕も、ボランティアの方や地域の方々に支えていただいているってことを、知れば知るほど感じています。その人たちの気持ちに恥じないように、1戦1戦しっかり戦って、みんなで喜びたい。もちろん、悔しがることもあると思います。とにかく、最後までひとつのチームとして戦って、よりそのチームが大きくなればありがたいなと思います。自分もコートの中だけでなく、外でも頑張ります」

長谷川「お互いの対戦の時は、どちらのホームだろうと、会場を満杯にしたいなって思っています。この対談を見ていただいて、興味を持っていただいた方には、ぜひ会場に来て、観て、楽しんでほしいと思います」。

――今日は長い時間、ありがとうございました。