プロへの道を切り拓け!
B.LEAGUE TRYOUT 2019

2019年06月26日



文:hangtime編集部/写真提供:B.LEAGUE

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 6月16日、2回目となる『B.LEAGUEL TRYOUT』が東洋大学総合スポーツセンター(東京都板橋区)で開催された。今年1月に行われた『B.DREAM PROJECT 2019』(満22歳以下対象)が、プロへの夢を膨らませる機会だとすれば、このトライアウトは即契約に結びつく“ショーケース”。約200名の応募者から、書類選考を経た100名が参加者名簿入りを果たした。

 当日は、午前中に体力測定や基本的なスキルチェックが行われたが、これは個人の身体能力(ジャンプ力やウイングスパン、俊敏性、持久力、ドリブル、シュート等々)を測るもの。そして、午後からは2面のコートを使い、1チーム5、6名ずつに分かれてのスクリメージが繰り返された。ここでは、やはり公募で集まったプロ志望のコーチの下(即席チームながら)、どういう役割を担い、いかに自分のアピールできるかが試される。B1からB3まで、多くのクラブ関係者が見つめる中、参加者たちは精一杯のプレーで自己アピールに努めた。

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 ただし、自己アピールと言ってもがむしゃらにゴールに突っ込んで行ったり、タフショットを打ったりするだけではダメ。あるクラブの強化担当者は「シュートが入るかどうかが重要ではなく、正しいシュートセレクトができているかどうか。コーチが求めるプレーを理解しているかどうかをチェックしています」という声もあれば、「粗削りでも“伸びしろ”が感じられるといいですね」というアシスタントコーチの意見も。短時間でクラブ関係者を惹きつけるのは難しいかもしれないが、「ここに来れば、たくさんの可能性を秘めた選手を一度に見ることができますから」と、このトライアウトに注目し、期待するクラブ関係者は多い。

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 午後のスクリメージは一旦休憩を挟み、20名(4チーム)に絞られて再び実施。最終的には10名だけがコートに残ってスクリメージが行われ、最後までプロ入りへの強い意欲をアピールした。ちなみにトライアウト参加者とクラブ側との交渉はフリーであり、20名に残れなかったとしてもプロ入りの道が閉ざされたわけではない。クラブごとに狙いは違っており、どの段階で、どういうところに魅力を感じているかはさまざま(実際、トライアウト終了後、参加者とクラブ関係者が話し込む場面も)。さらには、プロ志望のコーチをスタッフの一員に迎え入れたいという希望も多いと聞く。プレーヤーに限らず、コーチ(やフロントスタッフ)としてもプロバスケットの世界をめざす人材が増えている。B.LEAGUEの主導により、新たな人材の活躍の場が確実に広がっている。

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強い気持ちで自分の未来をつかみ取る
 同トライアウトの統括責任者で、B.LEAGUE強化育成グループの塚本鋼平氏によると、「1回目は170名弱でしたが、今回は200名近くの応募がありました。これはリーグの価値が上がっていることにほかならず、『富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)年棒1億円』というようなニュースが、今後も好影響を及ぼすでしょう。(30歳までと)年齢制限はありますが所属は問いません。今回は特に海外からの応募者(外国籍、海外在住の日本人)が増えました」とのこと。これは、渡邊雄太選手、八村塁選手の活躍や、日本代表のニュースに触れる機会が増えたことも影響しているようだ。

 書類選考のポイントを確認すると、こんな答えが返ってきた。「身長や実績、自己PRなどを考慮しています。受賞歴が記されている場合、そのリーグや大会のレベルや情報までチェックしています。あとは意欲と将来性……自己PRにどう反映されているか。『僕は絶対にプロになりたい!』そんな気持ちが溢れていましたし、その思いをできる限り汲み取るようにしています」。

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プレーヤーと同じ気持ち
 トライアウトはプレーヤーのショーケース、だけではなくプロコーチへの道も拓かれている。「コーチの参加者の中には、前職を辞したケースもあり、プロに懸ける想いはプレーヤーと何ら変わりません。コーチングスキルや実績、人間性を考慮して参加いただいていますが、この方々はほぼ間違いなくクラブから声がかかっています。もちろん、契約に至るかどうかはその先の話ですが、確実にプロへの道が拓かれているんです。学生であれば、まずはインターンとして採用されるケースも。プレーヤーはもちろんですが、指導者の育成も我々のテーマですから、今後もコーチングセッションなどを通して、意欲を持って取り組んでいこうと思っています」(塚本)

 今回のトライアウトを経て契約を勝ち獲るケースはどれぐらいあるかわからない。前回の実績は約20名が契約に至ったという。今後、新シーズンの開幕に向けて、プレーヤーやスタッフ決定のニュースがリリースされるが、「各クラブの新規契約選手に、トライアウト参加者の名前を見つける時があります。それは本当に嬉しいですね。プレーヤーやコーチ、チームスタッフ(フロントスタッフ)など、さまざまなケースがあっていいと思います。トライアウトにチャレンジする、そんな高い志を持った参加者が、今後、バスケ界に貢献できる人材となれば、それもこのトライアウトの意義だと考えています。今回、目に焼き付いた光景がありました。前回は午前中のプログラムで離脱した参加者が、今回は最後まで食らいついてくれました。彼はこの一年、努力をしたんだと思います。成長した姿を見せてくれましたし、トライアウトの経験がきっと次につながると確信しました」(塚本)

 次号の小誌『hangtime Issue013』はB.LEAGUEのロスター(B1~B3)掲載を予定している。今回の参加者名簿を大事に保管し、そこに名前を見つけるのを楽しみにしたいと思う。