“B”から世界へ飛び出せ!
B.DREAM PROJECT 2019

2019年01月30日



文:皆人公平/写真提供:B.LEAGUE ©B.LEAGUE

選考結果発表001

 1月10日、11日、BumB 東京スポーツ文化館(東京都江東区)にて『B.DREAM PROJECT 2019』が開催された。昨年6月の『B.LEAGUE TRYOUT 2018』がロスター入りを狙う選手対象であれば、こちらは“DREAM”の名のごとく夢に近づくチャレンジの場であり、選手、クラブにともに「特別指定選手制度」を意識したのもの(応募資格:2019年3月31日において満22歳以下男子)で約90人の選手が参加した。初日は開会式に続き、東頭俊典氏(アースフレンズ東京Z アソシエイトコーチ)によるクリニックが行われ、二日目はB2茨城ロボッツに所属する須田昂太郎選手の講演会と、8分ゲームのスクリメージが行われた。

講演001

スキル+人間力でプロの世界へ
 B.DREAM PROJECTは、「世界に挑戦する意欲に溢れる若い選手を発掘する」「B.LEAGUEの各クラブが特別指定選手制度を活用して若い選手の育成・強化ができる機会を創出する」という目的でスタートしたプロジェクト。さらに詳しい内容をB.LEAGUE強化育成グループの塚本鋼平氏に訊いた。

──B.DREAM PROJECTのコンセプトや、このプロジェクトへの想いを教えてください。アンダーカテゴリーの育成は、FIBA(国際バスケットボール連盟)の方針に則って国内の状況も変化しています。B.LEAGUE(プロリーグ)が全面的にサポートしようということでしょうか?
 「JBAに登録(高体連、中体連、専門学校連盟などを通じて)している子どもたち以外にもたくさんのプレーヤーがいます。また、日本国籍を有しているけれども、日本の学校教育制度以外(米軍基地やアメリカンスクール等)の環境でプレーしている子どもたちもいます。そういう子どもたちは、“将来、プロバスケットボール選手になりたい”と意識しても、どういうルートで次のステップに進めばいいのかがわからないかもしれません。そこで、こういったトライアウトという形で、誰もがオープンに参加できる機会を創りたい、それがそもそものスタートでした」

──参加資格は22歳以下の男子であればOKなんでしょうか?
 「外国籍の選手もいますが、日本国籍を有している選手をメインに考えています。ただ、B3や地域リーグで活動しているクラブが若い外国籍選手をリクルートするケースがあるかもしれませんから、そこはオープンにしています」

──参加自体に制限は設けていないわけですね。最年少は14歳で15歳の選手も3名エントリーしています。
 「彼らはサンロッカーズ渋谷のU15に所属しています。クラブの意向として、活動の一環と捉えているんだと思います」

MTG002

──選手たちもクラブも、この機会にさまざまなつながりができれば、今後の活動にプラスになるわけですね。
 「選手たちは自ら応募して集まって来ますが、“プロバスケットボール選手になる”というのはどういうことなのか。B.LEAGUEの仕組み、待遇や環境面のことなど明確に理解していないでしょう。それらを知る良いきっかけづくりになると思っています。本人しかり、未成年であれば保護者の方たちにも理解してほしい。厳しい世界であるとわかった上で、夢を持ち続けて欲しいですね」

──具体的かつ身近なこととして、プロの世界(B.LEAGUE)を理解してほしい?
 「プレー、スキルだけが評価されてプロになるわけではないんです。実際プロになってみれば人間性が問われたり、クラブのことを理解したり、スポンサーさんのために頑張ることもたくさんあります。ステークホルダーのために何ができるのか、そういうことを何度も聞くことになりますし、自分のことだけを考えればいいわけではありません。今日、ここに集まった選手たちはその感覚がまったくないかもしれません。少し上手いから、監督や先生に参加を勧められたからと、まだ受け身のままかもしれません。今回、講演会で須田選手から直接話を聞くことで、プロとしてプレーができるというのはどういうことなのか、それをきちんと理解できたのではないでしょうか(講演会ではB.DREAM PROJECTに参加した経験談、プロ入りにつながったエピソードなどが話された)。トライアウトと並行し、講演会やクリニックを開催するのも大きな意義だと考えています」

──今回に限らず、今後参加する選手たちへの期待、メッセージをお願いします。
 「自分をどんどんアピールしてほしいですし、挨拶など、ちょっとした行動にも気をつけてほしいですね。まわりの人たちに『バスケの選手はきちんとしていて気持ちがいい』と感じていただけるような行動をお願いしたい。将来性のある選手たちですから、彼らの行動そのものが、バスケ界全体で取り組んでいる行動だとわかってもらえるような振る舞いをしてほしいんです。その点では参加者の傾向として、プロになりたいという熱意というか、想いが年々強くなっていますし、礼儀正しさ、人間力の高さが明らかに違ってきています。競技力の向上、人間力の向上が欠かせないんだというのを体現している選手が増えてきました。繰り返しになりますが、スキルはもちろんのこと“夢を持ち、トライする姿勢”を表現することも重要ですから、臆せず積極的にアピールして欲しいですね」

平良彰吾001

ライバルは世界にいる
 スクリメージは印象深いものだった。初対面のコーチ、選手がチームを組む難しいトライアウト。自己アピールをしながらもチームメイトを活かす力も試される。勝敗に関わらず、個々の選手が個性を発揮しなければならない。選手たちは大きな声でチームメイトを鼓舞したり、得意なポジションから積極的にシュートを狙ったりと短い時間ながら精一杯アピールした。最初の段階で約半分の40名に絞られ、次に20名、最終的には10名が選抜されてスクリメージが行われ、二日間のプログラムが終了した。

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 閉会式で挨拶に立ったのは葦原一正B.LEAGUE事務局長。こんなエールで参加者を激励した。「ここにいる一人ひとりがライバルかもしれませんが、B.LEAGUEは『世界に通用する選手やチームの輩出』が使命のひとつですから、ライバルは世界のプロ選手です。日々の小さな積み重ねが重要ですから、(明日から)一つひとつ小さなことから努力して欲しい。それはB.LEAGUEも同じなので、みなさん一緒に頑張っていきましょう」。

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 今回の参加者からB.LEAGUEでプレーする選手が現れるかどうかはわからない。しかし、1人ひとりの夢がつながっていけば、B.DREAM PROJECTからB.LEAGUEを経由して、世界へ飛び立つ選手がきっと現れるだろう。