愛着ある島根を出た山本エドワード
新天地FE名古屋での挑戦

2018年10月02日



文:川西祐介/写真:B.LEAGUE

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 B2とB3を皮切りに、いよいよB.LEAGUEの2018-19シーズンが始まった。今シーズンも、B1まで含めた全46チームがそれぞれのカテゴリーで優勝を目指した熱い戦いを繰り広げる。

 各チームは厳しい戦いを勝ち抜くために、シーズン前に選手補強を行っており、このオフも多くの選手が移籍している。その中には島根スサノオマジックからFイーグルス名古屋へ移籍した、山本エドワードの名前もあった。

 山本は島根がbjリーグに参戦した初年度に、自身もプロ入り。以来昨シーズンまで8シーズンを同チームで過ごした。bjリーグの最終シーズンにはキャプテンを務め、B.LEAGUE初年度はB2のスリーポイント王となり、チームのB1昇格の原動力にもなった。そんな生え抜き中の生え抜きだった山本が、今シーズンはFE名古屋のロスターに名を連ねたのだ。

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プレーヤーとして“チャレンジ”を求めて新天地へ
 山本に青森ワッツとの開幕戦の後に移籍の理由について直截に訊くと、「昨シーズン、最終的にはプレータイムを得ることはできたんですが、選手としてもっと伸ばしたかったというのが正直なところありました」と、言葉通り正直に答えてくれた。

 島根がB2で21連勝を飾り、最高勝率を残して、B1昇格を決めた2016-17シーズン、山本は全60試合にスターターとして出場、平均プレータイムは26分以上を記録していた。しかし、昨シーズンはヘッドコーチが代わり、昇格に貢献したチームメイトで残ったのが岡本飛竜のみと、大きくロスターが変化した中で、48試合の出場(うちスターターは12試合)と、チーム内での役割が限定されたのは事実だ。

 もちろん本人は「プロとしてプレータイムは勝ち取るもの」と自覚している。しかし続けて、「長く島根でやっている中で、自分が少し島根に甘えているんじゃないかと感じることもありました。新たなチャレンジというか、やはり一度は外に出て、そこでどれだけできるのか、自分を試したい」との思いが湧いてきたとも話してくれた。

 そう、プレータイムを勝ち取ることと、島根以外でのプレーというふたつのチャレンジに同時に挑むことを決めたという。この難しい決断を後押ししてくれたのは、島根でチームメイトだったこともある、FE名古屋の川辺泰三アシスタントコーチだった。川辺ACと連絡を取り合う中、熱心に誘われ、その熱意に応えたいという結論に至ったという。

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チームを強くするためには遠慮などしない
 そして新シーズン。EARLYCUPの2試合、そして青森との開幕節2試合の計4試合で山本はスターターを務めた。コート内でのコーチとも言えるポイントガードというポジションに、移籍してきたばかりの選手を起用する理由を渡邊竜二ヘッドコーチは「チームが目指している“走る”バスケットと、彼のプレースタイルが合っていると感じています。このバスケットでチームプレーを作るという部分では、このチームではやはり彼がひとつ抜けている。シーズンが始まったばかりで、まだフィットしきれていない部分がありますが、そこをシーズン通して修正していけば、もっと良くなると思います」と期待を込めて話す。

 その期待に山本もしっかりと応えている。この4試合で合計20アシストとチームオフェンスを操り、青森との2試合では6本中4本の3Pシュートも決めてみせた。本人は「走るバスケットでは、チームでディフェンスして、しっかり守ってから走ることが大事になってくる。そうすることでゲームのリズムを作りたい」と、ディフェンスから好調なオフェンスが生まれていると話してくれた。

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 新しいチームに来て遠慮するようなことはないのかを訊くと、「チーム作りはPGにかかっていると思うので、遠慮せずに自分の経験を活かすためにも言うべきことは言ったり、コート外でもチームメイトとコミュニケーションをとったりしています。それが自分の役目だと思っていますから」と、積極的にチームに馴染む努力をしているという。

 山本がさらにチームにフィットした時、FE名古屋が今シーズンもB2プレーオフ争いに絡んでくるのは間違いないだろう。