「笑顔でプレー」が伝わるエンターテインメント
WJBLオールスター 2017 in 新潟

2017年01月25日



文・吉川哲彦 写真提供・WJBL

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 Bリーグが注目を浴びる中、リオデジャネイロオリンピックでの快進撃を思い返せば、盛り上がる下地は女子のほうにこそある。今はまさにバスケットボールをメジャーにするチャンス。復活して2回目となるWリーグのオールスターには、その機運を高める役割もあるはずだ。

 

アトラクションは本気モードも……!?

 試合に先立って行われたアトラクションは、2つとも昨年の優勝者が連覇を果たす結果となった。まずは3ポイントコンテスト。普段3ポイントを打たない間宮佑圭(JX-ENEOS)は11ポイントに終わったが、他の6選手が14~16ポイントに集中する激戦。最後は長岡萌映子(富士通)との同点決勝を山本千夏(富士通)が制した。山本は同点決勝で、「あれで去年勝ったので」と2点加算されるカラーボールをすべて右コーナーに集め、そのうちの2本を決めてギリギリで逆転した。

 スキルズチャレンジは、今年は全体的にタイムが伸びなかった。出岐奏(新潟)が最後のレイアップの箇所で3ポイントに挑戦した(3本目で成功)ように、あえて難易度の高いプレーを選択した選手がいたからだ。人気漫画の主人公に扮して挑んだ大神雄子(トヨタ自動車)が、ボールラックに取り付けられたスポンサーボードを落としてしまい、お詫びのしるしにそのボードを高く掲げてPRする一幕もあった。

 そんな中、昨年の女王・本川紗奈生(シャンソン化粧品)は持ち前のスピードを発揮。「(デモンストレーションを披露した)中学生に負けたらどうしようと思った」(本川)からだった。ただ、結局本川のタイムがその中学生にわずかに及ばなかったことは、ここだけの話だ。

 

楽しさ満載のオールスターから真剣勝負へ

 そしていよいよ試合開始。WESTはジャンプボールを大神が務めたように、選手たちは今年もサービス精神を第1Qから発揮した。すべて挙げるとかなりの文字数になってしまうので、各Q1つに絞らせていただくことをご理解いただきたい。

 まず第1Q。三屋裕子JBA(公益財団法人 日本バスケットボール協会)会長が来場していたこともあり、吉田亜沙美と渡嘉敷来夢(ともにJX-ENEOS)がバレーボールのようにトスしながらボールを運んだシーンを挙げたい。

 第2Qでは、193cmの渡嘉敷がポイントガードとしてボールを運んだ。しかし、ハイライトはむしろその後、本職としてボール運びをした吉田。ドリブルでセンターライン近くまで行きながら、トム・ホーバスヘッドコーチ(JX-ENEOS)の指示を仰ごうとベンチ方向へ引き返し、8秒バイオレーション。吉田はホーバスヘッドコーチのせいにしていた。

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 チアリーダーや各チームのマスコットに加えてEASTの選手もノリノリで踊ったハーフタイムの『恋ダンス』を挟み、第3Qへ。ここではEASTが見せたローリングオフェンスを、直後にWESTが丸パクリする展開があり、どちらかというとWESTのほうが得点につなげていた。

 第4Qには、渡嘉敷にワンマン速攻でダンクのチャンスが訪れるが、高さが足りず失敗。ハーフタイム中にダンクを約束していたベンチ横の新潟ブースターのもとへ直行し、土下座した。その後、交代を告げられて、なぜかWESTベンチに下がったのが残り5分55秒、スコアは75-79。このあたりから両チームとも少しずつ“ガチ”モードに入っていく。

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 逆転に成功したWESTに対し、EASTもスターターに戻して反撃。残り18秒には24秒バイオレーションを取り、88-86とビハインドは2点。しかし、残り2.3秒で地元新潟の出岐に非情のトラベリングコール。ファウルゲームを仕掛けるも、またも審判は空気を読まず(!?)ノーコール。ともに後半のタイムアウトを使い切る熱戦は、WESTが逃げ切った。MVPには、第1Qの残り6分53秒から約37分出場のフル回転で24得点を挙げたWESTの高田真希(デンソー)が選ばれた。

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 試合後の会見に臨んだ選手からは、一様に「まずは自分たちが楽しむこと」という言葉が聞かれた。吉田も出岐も「それがお客さんにも伝われば楽しんでもらえると思った」と語ったが、場内が何度も笑いに包まれたことを考えれば、豪雪の中駆けつけた2752人の観衆に伝わっていないはずがない。

 笑顔があふれたオールスターを終え、すぐにプレーオフを賭けた二次ラウンドが開幕。今度は、世界と渡り合ってきた彼女たちの想いのこもった表情を見る番だ。

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