女王JX-ENEOSは止められず10連覇
来シーズンは新記録となる11連覇へ

2018年04月03日



文:皆人公平/写真提供:WJBL

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 3月24、25日の2日間、丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)にて、第19回Wリーグ プレーオフ ファイナルが行われた。ここに勝ち上がったのはレギュラーシーズンの上位4チームで、セミファイナルのカードは、JX-ENEOSサンフラワーズ(1位)vs シャンソン化粧品シャンソンVマジック(4位)。デンソー アイリス(2位)vs トヨタ自動車アンテロープス(3位)。

 下馬評ではJX-ENEOSの優位は動かずリーグタイ記録となる「10連覇」(過去、シャンソン化粧品が達成)を、どれほどの強さを見せて達成するか、に注目が集まった。1月の皇后杯(オールジャパン)では準々決勝からの3試合を、いずれも20点差以上の圧勝で制したJX-ENEOS。「毎シーズン、目標は“二冠”」と、選手たちは口にしており、モチベーションは高い。プレーオフが「一発勝負」のトーナメント戦に変更されたことで番狂わせの可能性も囁かれたものの、まったく意に介していないようだった。

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【セミファイナル第1試合】
デンソー 79‐69 トヨタ自動車
 大神雄子が引退宣言をして臨んだ今シーズンも残すは2試合。「シンさん(大神選手)のために勝つ」そんな心意気を揃いのTシャツで表現して臨んだセミファイナルは前半を終えて、48‐39とリードした。このまま逃げ切りJX-ENEOSへの挑戦権を得たいトヨタ自動車だったが、第4Qでよもやの大失速(9‐24)。デンソーに逆転を許し、頂点をめざしたトヨタ自動車の挑戦は終わった。

【セミファイナル第2試合】
JX-ENEOS 78‐56 シャンソン化粧品
 終わってみれば22点差。シャンソン化粧品の大敗であろう。しかし、第1Qは22‐22の同点だった。試合後、シャンソン化粧品の丁 海鎰ヘッドコーチは「力不足で負けましたが、第1Qは同点。『これならできるんだ』と、少しでも選手たちが感じた試合だった」とふり返った。第1Qのみだったかもしれないが、少しでも自信を得たとすれば、必ず次につながるはずだ。

【3位決定戦】
トヨタ自動車 74‐73 シャンソン化粧品
 土壇場で水島沙紀が3Pシュートを決め、逆転勝利を収めたトヨタ自動車が、大神引退の花道に彩りを添えた。試合は出だしからリズムをつかんだシャンソン化粧品が終始リードする展開。ところが終盤、疲れが見え始め大事なところでミスが続き敗れた。試合後の記者会見、悔しさで涙を見せた本川紗奈生キャプテンの姿に、さらなるステップアップを確信した。

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【ファイナル】
JX-ENEOS 71‐59 デンソー
 前半を終わって31‐14とJX-ENEOSがリード。やはり圧倒的な強さを見せつけた……となるはずだったが、デンソーがよく挽回した。特に第4Qは26‐18とリードし、試合後、小嶋裕二三ヘッドコーチが「意地を見せ諦めずに戦った。今までのチームと違うところがあり、成長の過程を感じた」という通り、女王JX-ENEOSの背中がはっきり見えた試合だったに違いない。

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やっぱり強かった女王。勝負は来シーズン
 ファイナルはJX-ENEOSの主力の1人、大﨑佑佳がケガにより途中退場するアクシデントがあった。その中で宮澤夕貴が4番を務め、ベンチメンバーの活躍もあって“やっぱり強かった”そんな印象が強い。

 しかしながら、シャンソン化粧品の丁HC、デンソーの小嶋HCとも、手応えを感じているに違いなさそうだ。悔しい連敗を、時に笑顔を見せながらふり返った丁HCは、「JX-ENEOS戦は第1Q同点で、それは満足している……いつか勝てると信じてます」と口にした。

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 小嶋HCは「(JX-ENEOSの選手と比べて)気持ちの強さで差があったかもしれない。技術的なことも上乗せしていけば、必ず明るい未来が拓けると思う」と、来シーズンの課題を示した。また、記者会見では敗れた選手たちの悔しそうな表情やコメント、涙ながらに成長を期する姿もあり、来シーズンへの期待感が高まった。

Wリーグで切磋琢磨。『日の丸』を背負う仲間たち
 JX-ENEOSは11連覇をめざし、さらなる強化を図るだろう。次こそ「打倒! JX-ENEOS」と虎視眈々、そんなチームが次々と現れればWリーグはますますレベルアップしていく。

 今年の「FIBA 女子ワールドカップ2018でのメダル獲得」と、「2020年東京オリンピックでの金メダル争い」は女子バスケの悲願だ。Wリーグ全体の底上げと成長、進化によって、きっと現実のものとなる。今回のWリーグの結果をしっかり胸に刻み、AKATSUKI FIVE女子日本代表で活躍する選手たちを注目し続けたい。

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【第19回Wリーグ 最終順位】
1位 JX-ENEOS サンフラワーズ(32勝1敗)
2位 デンソー アイリス(26勝7敗)
3位 トヨタ自動車 アンテロープス(26勝7敗)
4位 シャンソン化粧品 シャンソンVマジック(22勝11敗)
5位 富士通 レッドウェーブ(22勝11敗)
6位 三菱電機 コアラーズ(19勝14敗)
7位 トヨタ紡織 サンシャインラビッツ(17勝16敗)
8位 日立ハイテク クーガーズ(13勝20敗)
9位 アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス(9勝24敗)
10位 東京羽田ヴィッキーズ(9勝24敗)
11位 山梨クィーンビーズ(3勝30敗)
12位 新潟アルビレックスBB ラビッツ(0勝33敗)

【第19th Wリーグ アウォード】
プレーオフMVP:吉田亜沙美(JX-ENEOS #0)3年連続5回目
レギュラーシーズンMVP:渡嘉敷来夢(JX-ENEOS #10)4年連続5回目
ルーキー・オブ・ザ・イヤー:赤穂ひまわり(デンソー #88)
コーチ・オブ・ザ・イヤー:佐藤清美(JX-ENEOS)2年ぶり5回目
ベスト5
 ガード:町田瑠唯(富士通 #10)3年ぶり2回目
 ガードフォワード:本川紗奈生(シャンソン化粧品 #6)4年連続4回目
 フォワード:宮澤夕貴(JX-ENEOS #52)2年連続3回目
 センターフォワード:渡嘉敷来夢(JX-ENEOS #10)6年連続7回目
 センター:髙田真希(デンソー #8)2年連続6回目

【第19th Wリーグ リーダーズ】
得点:渡嘉敷来夢(JX-ENEOS #10)3年ぶり2回目
アシスト:町田瑠唯(富士通 #10)3年ぶり2回目
リバウンド髙田真希(デンソー #8)3年連続4回目
スティール:藤井美紀(山梨 #3)初
ブロックショット:渡嘉敷来夢(JX-ENEOS #10)6年連続7回目
フィールドゴール成功率:渡嘉敷来夢(JX-ENEOS #10)4年連続5回目
フリースロー成功率:森本由樹(東京羽田 #11)初
3Pシュート成功率:宮澤夕貴(JX-ENEOS #52)初