19得点もそっけない……PG勉強中のベンドラメ
でも「楽しむ」ことも忘れず

2017年01月27日



文・大橋裕之 写真・B.LEAGUE

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19得点を挙げるもそっけない……

 「結果(シュートが)入って、点数が伸びただけだったので……」サンロッカーズ渋谷のルーキー、ベンドラメ礼生は、1月21日(土)の仙台89ERS戦で31分間の出場でチームトップの19得点をあげ、ターンオーバーは「1」。十分なスタッツだったが、開口一番のコメントはそっけなかった。チームが80-84で敗れたとはいえ、BTテーブスヘッドコーチも「もし彼がいなかったら20点差ぐらいつけられていました。本当によくやってくれたと思います」と労った。しかし今、ベンドラメには得点よりも大事なことがある。

 

ポイントガードとして勉強中

 それはポイントガードとして、ゲームメイクをすること、ゲームを俯瞰する力を身につけることだ。彼はコメントをこう続けた。「チームが行き詰ったときに、どれだけ指示ができるのかが大事だと思いました。バスケットを理解して、誰をどう動かすのか、(その部分が)もっと必要かなと」

 この試合は元NBA・ロサンゼルス・レイカーズで4季プレーした213cmのロバート・サクレを補強しての初のホームゲーム。相手は東地区で勝率3割を切る仙台であり、これまでの結果や選手層を見れば、SR渋谷が優位では、と思われた試合だった。ところが、相手がオンザコート1の第1QからSR渋谷は受け身に回って先行を許し、“サクレ対策”でインサイドを厳しく守られて終始劣勢に。

 「インサイドをどう攻めるのか、ゾーン(ディフェンス)をされたとしても日本人選手で攻めるとか、攻め方がもっとあると思う。そこをもう少し指示できたらよかった」と、ベンドラメは頭では認識できても、行動が伴っていなかったことを反省した。

 

ケガのピンチをチャンスに変えて

 彼は東海大学時代からPGのポジションを意味する「1番」の選手であるが、得点感覚にすぐれており、シューディングガードを意味する「2番」を足し合わせた「1.5番」の印象。そんな彼が、プロの「1番」としての課題解決に取り組むきっかけが、昨年12月にメインガードで主将の一人である伊藤駿のケガによる戦線離脱だった。ベンドラメ自身も昨年10月末から「ケガでこれだけ離れたのは、バスケットをしてきて初めてだった」という11試合の欠場から復帰して間もないときだった。

 先発の機会を手にしたベンドラメは、「メインガードとして出ることが初めてだったので、すごくチャンスだった。スタメンに定着したいと思っていますし、チーム内の競争は嬉しいこと。この期間は積極的に自分がチャンレジしたいことを試すことができた」と振り返る。

 もちろん1カ月そこらでPGの力が身につくわけもなく、「試合の状況を一歩下がってみる。ガードらしいガードを意識しようと思っていましたけど、やっぱりなかなか難しいなと思いました」と苦労を口にしたが、チームにとってのピンチを、彼はチャンスに変えていた。

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「ガードらしいガード」も良いけど、「楽しむ」ことも忘れずに

 冷静になって仲間に的確な指示を出し、チームのベクトルを同じ方向に向かせるというPGとして、ベンドラメはひと回り大きくなろうとしている。22日の仙台との第2戦では35分間の出場で18得点をあげて79-66の勝利に大きく貢献。さらに10本のアシストでチームを動かしたことは、前日の反省が活かされた結果だ。

 ただ、まだ23歳で「ガードらしいガード」を意識しすぎないでほしい。彼の良さはボールを持つとなにかやってくれる、ワクワクが持てる躍動感だ。チーム最年長でプロ12年目の清水太志郎もシーズン開幕前に、「チームをコントロールすることは年齢を重ねることでうまくなっていく。彼にはアグレッシブに、(うまくまとめるというよりも)自分が楽しくプレーすることを忘れないでほしい。そうすることがチームにとって一番のプラスになる」とベンドラメに助言していたという。

 本人にしかない強みを忘れずに、B.LEAGUEを代表する選手へとステップアップすることを願いたい。今週末(28日、29日)は栃木ブレックスとの2連戦だ。日本を代表する司令塔・田臥勇太とのマッチアップが待っている。