B1リーグ
師走の交流戦を振り返る

2016年12月28日



文:大橋裕之/写真:B.LEAGUE

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 12月に入って、B1リーグは地区をまたいだ交流戦に突入。9月の開幕以降、順調に勝ち星を積み重ねたチームがあった一方で、苦戦を強いられたチームもあった。60試合のレギュラーシーズンは2017年1月に折り返しが迫っており、この期間で上位陣はより高みを目指し、下位陣は不振からの脱却を目指す。

■栃木がA東京を上回り首位も、千葉が13連勝で猛追
 栃木ブレックスはアルバルク東京を抑えて、首位の座をキープ。リーグ最少失点の固い守備をベースに田臥勇太が攻撃のタクトを振るい、シーホース三河や琉球ゴールデンキングスといった難敵に3勝1敗と勝ち越した。京都ハンナリーズに第4Qだけで18点差をひっくり返された試合(12/8)もあったが、中地区で下位に沈む横浜ビー・コルセアーズには取りこぼすことなく、悲願の初優勝を狙う天皇杯に向けてギアを入れ直した。
 A東京は京都戦(12/11)で攻撃が不発に終わるも、それをのぞけば悪いなりにゲームをつくって白星を積み重ね、師走のビッグマッチとなった中地区首位の川崎ブレイブサンダース戦(12/22、23)は1勝1敗でしのいだ。トロイ・ギレンウォーターが欠場したときに危うさが見え隠れするが、クリスマスゲームで意地を見せている。
1482581623471-b6455072137f052b2fc7a96f-114274-original 2強を追う一番手、千葉ジェッツはB.LAGUEで一番ノッていると言っていい。富樫勇樹やタイラー・ストーンを起点にアップテンポなバスケでリングに突き進み、球団記録の13連勝をマーク。大野篤史ヘッドコーチは「選手の共通認識ができてきた」と好調の要因について話しており、チームがひとつになって同じベクトルで戦えている。
 仙台89ERSは10月末から12連敗を喫したが、横浜戦(12/17)でようやく悪い流れを止めた。昨季のbjリーグ、レギュラーシーズンMVPのウェンデル・ホワイトが復帰して、チームは蘇りつつある。まだまだ苦戦が予想されるが、ディフェンスで食らいつき、しぶとく勝利を手にしたい。
 レバンガ北海道は12月に入って、西川貴之が戦列復帰した。なかなかロースターが揃わず、選手起用に苦労した水野宏太HCにとって心強い限りだ。勝ち星こそついてきていないが、名古屋ダイヤモンドドルフィンズやA東京と終盤まで互角に渡りあっており、琉球をホームで迎え撃つ年内最終戦を良いカタチで締めくくりたい。
 秋田ノーザンハピネッツは交流戦の初戦で京都を79-78で破ったものの、前半でリードを許す展開が多く、そこから6連敗。それでもbjリーグでしのぎを削った琉球とは2戦連続で延長戦を戦い、第2戦(12/25)は勝利を収めた。いまだ最下位だが、浮上のきっかけとなったはずだ。

■川崎が首位を独走 三遠の失速と対照的な新潟の浮上
 川崎が15連勝で首位を独走し、リーグ全体でも最高勝率を記録。A東京との地区1位対決では第2戦(12/24)で敗れて、三遠ネオフェニックス戦(10/28)以来となる黒星を喫したが、ニック・ファジーカスやライアン・スパングラーは安定した活躍を見せた。また大ベテランのジュフ磨々道は12月に入って、約1カ月半ぶりにコートに戻ってきており、万全のロースターで年末年始の連戦を迎える。
1482624337635-748321c3c2b254a9306c12da-116441-original 新潟アルビレックスBBがここ8戦でわずか2敗と好調を維持して順位を2位に上げた。ミスが多いながらも仙台を寄り切り、内外角にバランスの良いオフェンスで秋田に連勝。さらには千葉の14連勝を阻止するなど、12年ぶりの天皇杯に向けて弾みがつく戦いぶりだ。
 一方、サンロッカーズ渋谷はなんとか地区3位を踏みとどまる。一時はポイントガード陣のケガが重なり、清水太志郎だけとなる状況に陥ったが、大阪エヴェッサ戦(12/10)からベンドラメ礼生が待望の復帰。約1カ月半、試合に出られずもどかしかった日々を送った男が、チーム浮上のきっかけとなるのか注目したい。
 三遠にとっては試練の日々だ。A東京、千葉、三河と力のあるチームと対戦して6戦全敗。これまで5人が連動した固い守備で接戦をモノにしてきたが、この6試合での平均得点差は-11.8点(11月は+2.4点)と力の差をみせつけられた。それでも大阪戦(12/24、25)では連日、失点を60点以下に抑えこみ、本来の強さを取り戻しつつある。
1482025874577-c0702c97cad4aaf7fc6243cd-107761-original 横浜は勝ち星を積み上げられない。開幕当初からの課題であった不安定な立ち上がりは解消されつつあるが、今度は終盤での息切れが目立ってきた。スターターの5人に出場時間が偏る傾向があり、経験豊富なベンチメンバーの起用が、今後勝敗のカギを握るだろう。
 富山グラウジーズは城宝匡史が滋賀レイクスターズ戦(12/10)で通算7,000得点を達成してチームを牽引するが、最下位脱出はまだ遠い。しかしNBAのマイアミ・ヒートでプレーした211cm、128kgのデクスター・ピットマンを獲得。今季2度目の外国籍選手補強で良い流れをつくれるか。

■三河は新しい風で首位をキープ 名古屋Dが復調し、大阪も追走

 三河は地区首位を快走する。ケガ人が出るも、NBDL豊田合成(現B3リーグ)から加入した森川正明を4試合連続でスターターに抜擢。昨年、移籍1年目ながらインパクトを与えた長谷川智也のように、常勝軍団にまた新しい風が吹いている。
1482025919483-f3cc778a74b46d18a8e151c2-107782-original 名古屋Dは11月に1勝6敗と失速したが、交流戦で復調の兆しをみせる。対戦相手が勝率5割を切るチームだったとはいえ、就任2年目、レージー・ゲーリーHCの守備が機能し、失点は前月と比較して-7.2点と大きく減った(平均失点11月:78.9点→12月71.6点)。この調子のまま、次節で栃木との一戦に挑む。
 大阪は12月に入って、リチャード・ロビー(前三遠)の獲得を発表。エグゼビア・ギブソンやジョシュ・ハレルソンとはタイプの違う補強で、外角からの攻撃に厚みが増した。沖縄戦(12/18)では加入後、最多となる19得点を挙げて、チームに徐々にフィットしてきた。新戦力と連携を深めて、2位名古屋Dを追撃する。
 京都はここまで4勝4敗と勝ち越せてはいないが、栃木とA東京の第2戦でそれぞれ勝利をもぎ取った。鉄壁のディフェンスと高い修正能力は目を見張るものがある。下位チーム相手に勝ち切れない試合もあるが、そこを伸びしろととらえれば、まだまだ成長の余地は大きい。

1482130154598-bfb3706d455e4e550693275f-111587-original 琉球は2連勝で交流戦をスタートしたが、その後は栃木などに4連敗。bjリーグ時代にファイナルで激闘を演じた秋田とは2戦連続でオーバータイムにもつれこみ、星を分け合った。上昇気流になかなか乗れないが、専修大学4年(在学中)でプロ選手契約を締結したガードの渡辺竜之佑がリバウンドで存在感を発揮しており、この若い追い風に乗っていきたいところだ。
 滋賀は川崎戦(12/18)で今季最多失点となる101点を奪われ、中地区最下位の富山と1勝1敗で終わるなど低空飛行が続く。しかし第4Qに粘れる試合が徐々に増えてきており、遠山向人HCの古巣となる三遠との今年最後の試合で結果を残したいところだ。

naka