B1中地区序盤戦の模様
SR渋谷と三遠がスタートダッシュ

2016年10月13日



文:大橋裕之/写真:B.LEAGUE

1474733856762-9a73b4a6c7c8e6538b0bca3f-5126-original

■三遠を上まわり首位に立ったSR渋谷
 9月22日にA東京vs琉球のオープニングゲームで幕を開けたB1もあっという間に3節を終えた。ここまで6試合を戦い、B1の中地区ではSR渋谷と三遠がスタートダッシュに成功した。三遠がホーム開幕戦で、NBL王者でB1初代王者の呼び声も高い川崎を撃破するなど4連勝で5勝1敗としたが、SR渋谷が同じく5勝1敗ながら得失点差で上まわり首位に立つ。今季より指揮を執るBTテーブスHCの下、平均失点65.2点の固い守りと、それを起点とした速攻や3Pシュートを武器に強さを見せている。選手の入れ替わりが目立ったが、シーズン前に「開幕2連勝でリーグにインパクトを与えたい」というベテランの清水太志郎の言葉通り、チームは横浜戦で結果を残して“勢い”と“自信”をつけた。

 1476027072498-cd706176413a0b029278804e-32263-original

■好調のチームに新人ベンドラメの活躍あり
 SR渋谷の好調を語るうえで、注目したいのはベンドラメ礼生だ。大学バスケの名門、東海大でエースとして活躍し、昨季よりアーリーエントリーで入団した。ルーキーイヤーとなる今季はここまで、スタメン1試合を含む6試合で1試合平均約20分の出場を果たし、2桁得点も4度記録。チームの日本人選手の得点では、広瀬健太に次いで2番目となる53得点をあげる。また積極的なディフェンスからボールを奪うことも多く、ルーキーながら攻守両面で欠かせない存在になりつつある。

%e3%82%b9%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%891

 「ルーキーとして、ガードとして、ミスを恐れることなく、礼生には暴れてほしいと思います。本能的というか、予想外の動きをする、それが礼生の楽しさです。観ている人が“そこでそういうプレーをするのか!”ということを継続してやってほしいですね」(清水)と先輩から開幕前に期待されていたが、まさに彼はいま、それを体現しつつある。
 次節は強豪川崎戦。日本代表のガード陣とのマッチアップも予想されるだけに、彼のプレーがどこまでチームの力となりえるのか。ベンドラメらしい暴れっぷりに注目したい。

 

1475850872693-8782f90830020f5d28b2b1d3-23191-original

■ベンチ組の奮闘がきわ立つ川崎。若手のがんばりがチーム上昇の鍵
 2連敗スタートとなった川崎であったが、横浜との神奈川ダービーから4試合負けなしで順位を3位まで上げた。主力選手が日本代表の活動で合流が遅れ、とくにエースシューターの辻直人はその活動中に怪我を負って出遅れるなど、ぶっつけ本番のようなシーズンインだった。しかし、試合を通してチーム状態は上向きつつあり、平均得点は82.3点とリーグトップを走る。
 川崎が三遠戦の連敗を引きずることなく、白星先行に持ち直すことができた要因として、日本人ベンチメンバーの奮闘が挙げられる。下図はここまで6試合の総得点の構成比を示したものだ(参考として横浜と比較)。川崎の総得点494点のうち、スタメンが63%となる311点をマークしているが日本人選手はわずかに19%の96点。その一方でベンチが37%となる183点をあげて、さらに日本人選手が24%の118点を稼いでいる。もちろん攻撃の柱は得点ランキング1位のニック・ファジーカスではあるが、辻直人のコンディションが万全ではない中で、しっかり勝てるということは、チーム一丸となったバスケが展開できている証であろう。

%e3%82%b9%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%892

 とくに10月7日の3節、新潟戦ではベンチメンバーを起用した2Qで相手を突き放し、B1初の100点ゲーム(103-70)で快勝した。この試合では途中出場ながら、入団3年目の谷口光貴が25分の出場で3本の3Pシュートを含む14得点と結果を残した。9月30日のホーム開幕戦ではベンチ入りできず、「本当にめちゃくちゃ悔しかった」という思いを胸に刻み、「ほとんどプレータイムをもらっていなかったので今日は思いっきりやろうという気持ちで臨んで、それが良いかたちとなって出ました」と充実した表情でゲームを振り返った。さらにこの日は得点だけでなく、相手を引きつけて3本のアシストをマークし、翌日は5本を決めた。全体練習の前後で佐藤賢次アシスタントコーチと励んだ練習の成果をコートで表現するなど、成長の跡を見せている。
 川崎には谷口以外にも、晴山ケビンや野本建吾といった若手が控えている。彼らがレベルアップした分だけ、ベンチメンバーの選手層が厚くなり、ひいてはスタメンを巻き込んでチームは活性化するのだ。中地区の首位奪還に向けて、次節のSR渋谷戦でも若い力が躍動するのか注目したい。

 

147599792559

■挽回したい新潟、富山、横浜
 一方、スタートダッシュに失敗したチームもある。新潟は2勝4敗で4位に沈む。3節で2日間とも川崎に前半でリードを奪われて、力の差を見せつけられた。畠山俊樹のスピードを活かしたプレーは光ったが、シューター陣や外国籍選手とのコンビネーションなど課題は多そうだ。本拠地に戻る次節三遠戦で仕切り直しだ。
 また富山も5連敗となり、得失点差で最下位に転落した。10月2日の三遠戦では16点差をひっくり返され、3節は2日間ともSR渋谷の3Pシュートを止められなかった。次節は5位横浜と直接対決だけに負けるわけにはいかない。
 対する横浜は、10月9日に三遠からB1待望の初勝利を飾った。川村卓也やジェイソン・ウォッシュバーンに目が行きがちだが、連敗を5で止めた立役者は細谷将司。今季、初スタメンの起用に応えて、39得点をたたき出した。この勝利を無駄にしないためにも、連勝を狙いたい。