プロで初キャプテンの茨城・眞庭、
憧れの存在を胸に逆転Vへ戦う姿を

2018年02月09日



文:大橋裕之/写真:B.LEAGUE

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茨城は混戦の中地区で今季こそ
 B1ではチャンピオンシップ進出に向けた争いが熾烈を極めるが、B2でも1部昇格を目指す戦いが熱を帯びる。とりわけ、中地区は1位から4位までが5ゲーム差以内にひしめく混戦模様だ(2月4日現在)。

 この時点で17勝17敗、4位につけた茨城ロボッツは、今季こそ地区優勝さらには「B2 PLAYOFFS 2017-18」進出への思いが強い。昨季は後半戦に入りアンドリュー・ランダル(現群馬クレインサンダース)を補強して、ラスト20試合を17勝3敗と怒涛の追い上げを見せたが、あと一歩およばず32勝20敗で地区2位に終わった。同じ轍は踏みたくない……トアーリン・フィッツパトリック(前秋田ノーザンハピネッツ)を新たに迎えて戦い始めた今、チームケミストリーを深めていく。

プロで初のキャプテンがキャリアハイの理由
 そんな逆転での地区Vを狙うチームを引っ張るのは、プロになって初めてキャプテンを務める背番号27、福岡県出身の眞庭城聖だ。彼は日本体育大学を卒業後、ストリートボールチームのUNDERDOGでプレーしたのち、熊本ヴォルターズ、ライジング福岡(現ライジングゼファー福岡)という地元九州のクラブを経て、茨城に加入した。2シーズン目は、ここまでキャリアハイとなる1試合平均29.3分の出場で、11.3得点を挙げる。2月3日、4日に行われた3位金沢武士団との2連戦ではGAME1で敗れはしたが、シーズンハイの24得点をマークしており、チームの要としてなくてはならない存在だ。

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 しかし、本人からしてみると今のスタッツはチームファーストで自分の良さをアジャストできた結果だと言う。B2でリーグ3位の成功率39%を誇る3Pシュートが、ここ3試合で12.5%と不調であることを踏まえつつ、次のように話す。「僕はそういうこと(=スタッツ)は全然意識をしていなくて、(マークがずれてスペースが)空いたら絶対に打つべきだし、それは入るときと入らないときがあります。本当は決めることが重要ですけど、入らなかったときに次へ。僕はポストアップもできるし、アシストもできる。チームが良くなっていくために、自分の調子が悪くなったときは切り替えて、(自分の役割を)務めていこうとしています」

 シュートタッチが悪い中、金沢とのGAME2では、5本のアシストで好機を演出しており、順位を押し上げるためにも彼のパフォーマンスは今後も鍵を握る。

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“喝“を入れて生み出し続けたい戦う姿勢
 プレーヤーとしてチームをけん引する成果を残し続ける一方で、キャプテンとしても上位陣を打ち破るために、仲間を鼓舞していくことが求められる。茨城に所属するまでは、頼りになるベテラン選手も多く、控えに回る時期も多かった。どちらかというと引っ張ってもらうことのほうが多かったと言えよう。60試合のレギュラーシーズンを最高の順位でゴールするためにも、今後は試合の重要度やプレッシャーはより一層高まるだけに、固く結束できるチームづくりは肝心だ。

 彼としては「日ごろの練習から厳しく、“なあなあ”にしない。ロボッツは良い人が多いので、自分から嫌われ役になるわけではないのですけど、そこに“喝”を入れられるようになりたいと思っています」と語る。ただ初めて経験することでもあり、「試合だけでなく、毎日、継続的にやるとキツイなぁと、キャプテンになってから感じますし、たまに自分の中で練習に(気持ちが)ノれないこともあって、そういうのがムラになってくるのかなと感じています」と思わず本音も口にした。

 ただ、それでも「僕としては、そういうのをなくして、毎日戦い続ける姿勢を見せていけば、必然的にそういうリズムが生まれてくると思っています」と、自分のバスケに対するスタンスがチームのステップアップにつながることを望んでいる。

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憧れの存在を胸に、逆転の地区Vへ
 過去、「副(キャプテン)すらなかった……」という大役を任されたシーズン、練習から試合に至るまでチームと向き合う彼には、実はキャプテンとしての“理想像”があった。その憧れの存在は、昨季限りで現役を引退し、現在はバンビジャス奈良で通訳兼スキルコーチを務める仲西淳氏だ。ライジング福岡時代にはともに戦い、当時は仲西氏がキャプテンだったという。

 「あの人以上のキャプテンはいない」と話すほどに、影響を受けた。「ちょっと天然で、なんでもストレートに言うんですけど、その言葉選びのセンスや伝え方が、かっこよくて説得力があった。自然と憧れてしまいました」と、熱っぽく教えてくれた。もちろん、これだけ言葉が響くということは、相手と尊敬しあえる間柄であり、バスケに打ち込む姿勢や人間性に共感できる部分が多い証と言っていい。本人もいまの役割があるからと言って、変に意識することなく、自然体でチームメイトと日々、信頼関係を築いているという。

 「いずれはそうなりたい」と仲西氏のような存在になることを望んでいる“MONEY”。「まずは中地区で一番を目指す」というチームの大きな目標を成し遂げることができれば、ぐっと近づくに違いない。「逆転の地区V」に向けて、ラスト26試合を全力で戦い抜く覚悟だ。