ストリートから学生プロで奮闘
東京EX丹野は原点からの刺激を糧に

2018年01月29日



文:大橋博之/写真:©TOKYO EXCELLENCE / 高見 直樹

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B.LEAGUEに飛び込んだ学生たち
 今季もレギュラーシーズン後半戦より、卒業を控えた大学生や進学予定の高校生が、B.LEAGUEのコートに立つシーンが増えてきた。特別指定強化選手あるいはプロ契約選手として、高いレベルの環境に飛び込み、ファンたちの期待や応援に後押しされて、プレーヤーとして大きな一歩を踏み出す。

 一方で、昨秋の開幕当初からチームの一員になった学生たちもいる。筑波大学4年生の馬場雄大はB1の東地区で首位を走るアルバルク東京で、1試合平均20分近い出場時間を手にして、ハイライトになるようなダンクを叩き込み、アグレッシブなプレーでチームに欠かせない存在となった。そして彼のように在学中の身で、プロとして奮闘する選手がB2復帰を目指す東京エクセレンスにいる。

ストリートから学生プロへ
 背番号44の丹野合気はB.LEAGUEトライアウトを経て入団した、明星大学在籍中の4年生だ。ルーキーながらここまで27試合中26試合で先発のポイントガードを務め、1試合平均21分のプレータイムをつかむ。2桁得点は11試合あり、10月21日の大塚商会アルファーズ戦では6本の3Pシュートを含む24得点をあげるなど、スコアリングが魅力の選手だ。

 キャリアを振り返ると、明星大学では、彼が主将として出場した昨春のトーナメントではベスト16へ進出。さらにSOMECITY TOKYOの44STREETのメンバーとして、イエローコートを沸かせ、関東大学リーグのトップ選手とストリートの選抜が5on5のガチンコゲームを繰り広げるTOKYO STREETBALL CLASSICの第1回大会(2016年)では、TEAM STREETのロスターに名を連ね、馬場や岡本飛竜(島根スサノオマジック)らを擁するTEAM COLLEGEと対戦した。“ストリート”にルーツを持ち、5on5の“プロ”になったことを考えると、落合知也(栃木ブレックス)や眞庭城聖(茨城ロボッツ)らが思い起こされ、さらにそのパイオニアには青木康平氏らがいる。彼もその系譜の継ぐ可能性があると言っていいだろう。

 今の目標については、「得点すること。スタッツにこだわりを持って、チームの勝利に貢献したい」と話すが、手応えはまだまだのようで、「点数を取れるときと、そうでないときの差が激しいです。10数点を取れた時があっても、いざ1位のチームとやったときに全然取れなかった」と、首位攻防戦となった1月20日の東京八王子トレインズ戦でたった2点に終わったことを悔やんだ。

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点を取りたいけどモヤモヤ……
 点を取るうえで、何より大事なことはリングにアタックすることだ。得点の確率は上がり、ドライブを警戒されれば、3Pシュートを狙える。さらにはバスケットカウントで、チームを勢いづかせることもできる。ハンドリングにすぐれた彼もそれが持ち味であるが、B.LEAGUEでプレーする以上、悩みも抱える。「外国籍選手がゴール下にいることを意識してしまい、ここ数試合はドライブで点を取ることができず、ジャンプシュートだけになっている。アタックをしたいけど、自分の中で明確には整理できていなくて……」と、モヤモヤしている様子を見せた。

 プロになったことで、「大学のときはミスしてもそのまま出場することが多かったのが、プロは少しのミスですぐ交代となります。それは自分の責任だし、プレータイムを勝ち取る上では、ミスの少ないガードが必要とされていると思います。なおかつ点数が取れて、アシストやゲームメイクができるようになりたい」と、これまでとのギャップを感じつつ、変わろうとしている最中のようだ。2メートルを超えるビックマンが待ち構え、ちょっとの隙を見せればヘルプで削られ、ブロックも飛んでくる。アグレッシブに攻めたいところがだが、ミスしてしまった時のことが頭を過るので二の足を踏んでしまうのだろう。

 こんなときこそ、ハッスルして果敢に仕掛けることだけにフォーカスしていくのがいい。チームメイトのサポートを受けながら、相手ディフェンスをかいくぐり、改めて自分の持ち味をコートで表現することでモヤモヤは解消できるはずだ。

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原点から感じる「もっと練習」の刺激を糧に
 首位攻防の第2戦、出場時間は今季最短の11分で得点も4点止まり。今が踏ん張りどきだ。もちろん、昔からバスケに熱い仲間たちと切磋琢磨してきたことで、もっともっと上手くなろうという気持ちは揺るがない。「プロでなくても、SOMECITYやストリートでやっている選手たちの中にも、僕より練習している人がいます。それを見たときに、プロとか関係なく、もっと練習しないといけないと思いますし、そういう人たちと話をして、『お互い頑張ろう!』となったときは、モチベーションが上がりますね」と、原点は自分に刺激を与えてくれる。

 とりわけ、最近は「寺園脩斗さん(東海大学出身。現在は九州電力でプレー)」を尊敬しているという。ストリートでは、NIGHT COLLEGEで初めてSOMECITYの選抜チームを撃破してチャンピオンになり、真夜中の3on3バトル、FLYHIGHにも参戦。1月27日に開催されたTOKYO STREETBALL CLASSICにも出場した。「よくハードワークしているのをSNSで見ていて、どんな場所でもやっているなと思っていて、本当にとても尊敬しています」と、その理由を明かした。

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 モチベーションを高めてくれる存在を、バスケに打ち込む糧に変えて、丹野はプロ1年目を突き進む。彼の生きる姿に期待を寄せるファンや仲間、それを目指す若い世代は多いはずだ。「年齢とか関係なしに、やっぱりプロは上手い人が出るべきだと思う。若い選手や新しい選手が入ってきても、僕は一番に試合に出たい。そのためには“練習”が必要だし、これからも“練習”をやっていきたいと思います」。努力を重ねることは、きっと“AIKI”の成長を裏切らない。