残留POの秋田にラッキーボーイ求む
新人・中山「コートに出てナンボ」

2017年05月09日



文:大橋裕之/写真:B.LEAGUE

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残留POで求むラッキーボーイ
 60試合のレギュラーシーズンが終わり、秋田ノーザンハピネッツは16位で残留プレーオフ(PO)に行くことが決まった。4月29日からの9日間で5試合の終盤戦は1勝4敗……。一時は下位4チームから抜け出していただけに、受け入れがたいだろう。ただ、あと2つ勝てば、来季もB1で戦うことができる。是が非でも勝ちに行くしかない。

 短期決戦では入りが大事。チームに流れを呼び込むラッキーボーイが必要だ。ちょうど約1カ月半前、『侍ジャパン』はワールドベースボールクラッシク(WBC)で捕手の小林誠司(読売ジャイアンツ)が大会に入って大活躍し、壮行試合で負け込んだ悪いムードを一気に払しょくした。

「コートに出てナンボ」の新人
 ただ、そんな役目は求められて出てくるものではない。しかし、いまの背番号17、中山拓哉には期待してもいいだろう。2月に特別指定選手として入団したルーキーは、東海大の主力として、昨冬のインカレで準優勝に終わったものの、司令塔・伊藤達哉(現・京都ハンナリーズ)がケガで離脱した穴をカバーして、アシスト王に輝くなど、チームのピンチを救った実績を持つ。

 ここまで22試合に出場して、平均16.5分のプレータイムをつかみ、白濱僚祐が出場できない影響もあって直近5試合で3試合にスタメン起用された。そのうち4試合で2桁得点を奪うなど、メインガード安藤誓哉の負担を減らす存在として少しずつステップアップしている。ガードのバックアップが十分ではないチーム事情があり、スコアリングにアシスト、ボール運びもできるスキルがある中山にとって、“実践で経験を積める”ことが飛躍の糧となった。この状況について中山は千葉ジェッツ戦(5月3日)を終えたあと、「コートに出てナンボなので、プレータイムを伸ばせるようにもっともっと頑張らないといけない。今日はスターターになりましたが、毎回ではないので、そこまで(=常に)なっていきたいと思います」とコメント。結果を残すことにフォーカスした意識は頼もしい限りだ。

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冷静な視点と球際のハッスル
 さらに中山は冷静に自分を見つめている。プロとして走り出した約3カ月間のプレーについて振り返ると、「まだ(入って日が浅く)僕のスカウティングがないので、やれているだけだと思っています。どこが通用して、どこが通用していないかは次のシーズンからだと思います」。スタッツが残せていることに少なからず手応えを得ているものだと思っていたが、目先の数字に一喜一憂せずに、コートに立っていた。本人曰く、「あくまでも今やるべきことは、ミスをしてもオフェンスでもディフェンスでもアグレッシブにプレーすること」。

 先の千葉戦では、オフェンスリバウンドからゴール下でのイージーショットを外し、富樫勇樹にドライブを許してバスカンを献上した。が、第4Qにはルーズボールに果敢に飛び込み、相手ボールになりかけた判定を、リプレイ検証の末、マイボールにするなど泥臭いプレーでチャンスを呼び込んだ。

 試合後、「ルーズボールやリバウンド、ディフェンスは技術ではなく、気持ちでやります。絶対に負けられないと思っていて、そういった細かいところで試合が決まるので、一生懸命頑張りました」と語っている。冷静な視点と、球際の攻防でハッスルできるマインドが同居しているところに、彼のポテンシャルの高さがうかがえた。

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“持ってる男”になれるか
 決戦は5月13日。横浜市出身で、東海大相模高校でプレーした中山にとって相手は奇しくも、地元である17位の横浜ビー・コルセーズだ。最近の彼のプレーを見る限り、ビーコルはスカウティングの対象に入れているだろう。現状、秋田の長谷川誠ヘッドコーチはルーキーに期待する伸びしろについて、「攻撃や守備で状況を見ながらの判断力」と「ノーマークのシュート、特に3Pシュートを決められる力」を挙げている。勝負所でのテイクチャージやボール奪取、外角からのシュートを決めることでクレイジーピンクのボルテージを上げる“持ってる男”になれるか注目である。

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B1残留プレーオフ

 ⇒ https://www.bleague.jp/remainingplayoffs_2016_17/