キーワードは“インテンシブ”&“モメンタム”
B1西地区の熾烈な2位争い

2017年04月25日



文・皆人公平 写真・鳴神富一

DSC_0350

 4月23日、B1リーグのレギュラーシーズンは29節までが終了した。残り3節(5試合)となった時点で「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2016-17」の出場権(8チーム)を確定させたのは5チーム。マジックを「2」としている2チームを含めれば、チャンスがあるのはあと「1枠」で、それが西地区の2位争いとなる。現在西地区2位の大阪エヴェッサと3位の琉球ゴールデンキングスは1ゲーム差。そこから2ゲーム差で京都ハンナリーズ、名古屋ダイヤモンドドルフィンズが続いている。残り5試合で星のつぶし合いがあるため、予断を許さない状況ではあるが、大阪と琉球が一歩リードしているといえるだろう。

直接対決残り2試合は沖縄
 先週は大阪と琉球の直接対決が、大阪のホームアリーナ、府民共済SUPERアリーナで行われた。結果は1勝1敗で、先に勝ったのは琉球。22日の第1戦、第1Qで12‐28と大量リードを奪うとそのまま突っ走り、69‐84という完勝だった。前節のホームでの名古屋戦で劇的な勝利を収め、3連勝した勢いのまま琉球にも連勝を、と目論んでいた大阪にとっては痛い1敗。勝敗で並んだ(26勝28敗)だけでなく、最後の直接対決(最終32節)は、琉球のホームで戦うことになるため、何としても連敗は避けたい大阪が、23日の第2戦でどんな戦いを見せるか注目された。

 試合前、この日ゲストとして来場していた佐々木クリス氏(バスケットボール解説者・NBAアナリスト)が登場し、バスケットボールの面白さや醍醐味に加え、この日の試合の見どころとして「インサイドの攻撃が重要。日本人選手のアタックを期待したい」とアピール。両チームはロッカールームでミーティング中だったようなので、このトークは聞いていないはずだが、その言葉通りの立ち上がりを見せたのが大阪だった。

DSC_0766

 前日の教訓を生かし、第1Qで27‐8とリードを奪った。しかも、エグゼビア・ギブソンの2本のダンクシュートを含む得点の多くをインサイドで叩き出した。前日とは打って変わった展開のまま、最後まで主導権を渡さなかった大阪が83‐62で快勝。ちなみにペイントエリアの得点は琉球26点に対し、大阪50点と圧倒した。

 そして、「日本人選手のアタック」に関しても大阪は橋本尚明が10得点、橋本拓哉が14得点を稼ぎ、琉球の次世代エース・津山尚大が積極的なプレーでチームトップの17得点を挙げた。この日、バスケ初観戦のビギナーも含めて4,064人の入場者を記録したが、佐々木氏の話に耳を傾けた大勢のブースターは、「やっぱバスケ、面白いやん!」と納得したに違いない。最終節の沖縄決戦はさらに盛り上がりそうだ。

DSC_0216

インテンシブとモメンタム
 どのチームも同じだろうが、この時期になって自分たちの戦術や技術面などを大きく変化させることはない。これまで積み上げてきたものを、いかにゲームで発揮できるかが重要なのだ。試合後の記者会見で、両チームのヘッドコーチからは“インテンシブ”と“モメンタム”という言葉が聞かれた。

 「昨日とはまったく逆のゲームになってしまいました。出だしから大阪さんのインテンシブ(激しい、徹底的な、集中的な)レベルが違っていて……わかってはいたんですが、結果的にその差が最後まで響いてしまいました」(琉球・伊佐勉ヘッドコーチ)。

 最終節(5月6、7日)に再び直接対決があることを聞かれ、

 「最終節までに3ゲームあるので、自分たちのやってきたことを信じて(最後の)大阪さんと対戦したい。幸いラスト2ゲーム、沖縄で対戦できますので、もう一度メンタルの部分を鍛えて、修正して臨みたいと思います。そのためにもまずは自分たちのプレーの遂行レベルを高くし、それをどれだけ長く維持できるか。遂行レベルを高くできないまま負けるのであれば、それは実力がない証拠です。そうではなくて、メンタルの部分。うまくいかない時間帯に、自分たちがやるべきことをどれだけできるか、スキル云々ではなくメンタルの部分が大切です。選手やスタッフ、チームが一丸となってどれだけできるか、そこに懸かっています」(伊佐HC)。

DSC_0254

 一方、大阪の桶谷大ヘッドコーチは、

 「昨日は第1Q(外国籍選手のオンザコート)で大阪オン1、琉球オン2という時間帯をつくってしまい、ゲームのモメンタム(勢い、弾み)を持っていかれました。そこを修正した上で、逆に我々が立ち上がりからハードワークをし、モメンタムをしっかり得ようとそれぞれの選手たちがファイトしたのがこの結果につながったと思います。今日は試合の入りから、ボールに対する執着心、ポゼッションに対する執着心すべてが違いました。戦術的に変えたところはほとんどありませんが、トランジション、ボールピック、リバウンドを『修正する』というよりも、昨日できてなかったこの3点を『徹底』しました」

 やはり、「自分たちのバスケット」を徹底することの重要性を強調するとともに、「昨日は日本人選手で2桁得点が1人もいませんでした。それが、今日は橋本(拓)、橋本(尚)のところで2桁得点をとっています。ここは、非常にチームにとってプラスになりました。特に、橋本(拓)は出だしから、ポストアップをしたり、スクリーンからパスをもらったり、そのままターンしてアタックをしたりとさまざまな点の取り方をしています。この成長の芽を潰してしまわないよう、しっかりと育てていきたいと思います」と続け、手応えを感じたようだ。

DSC_0647

 ただし、最終節のことを問われると、「そこが一番重要(カンファレンス2位になるには)なのは理解していますが、目の前の一戦一戦に集中したい」とコメント。桶谷HCの起用に応えた橋本(拓)は、「昨日、試合が終わった後のミーティングで『エナジーがない』と厳しく指摘されました。個人的にもディフェンスがソフトで、ヘルプポジションが間違っていて……ディフェンスの修正ができたので、そこが勝因のひとつだと思います。もともとディフェンスのチームなので、そこが崩れるとダメになってしまう。そこを修正できたので、オフェンスもリズムが出ました。次は強豪のシーホース三河戦が控えているので、落とせないと思っていました」と、チーム全体で西地区2位を死守するという覚悟が感じられた。

 大詰めを迎えるB.LEAGUEは、それぞれチームが置かれた立場は違っているが、インテンシブとモメンタムをキーワードに、熾烈を極める戦いが待っている。