天皇杯は千葉が見事2連覇を達成
皇后杯はJX-ENEOS貫禄の5連覇!

2018年01月09日



文:皆人公平/写真:大澤智子

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終了までは気を抜かない、それが勝負の鉄則
 昨年までとフォーマットが変わり、会場もさいたまスーパーアリーナへと移った“第93回天皇杯・第84回皇后杯”。――都道府県レベルから一貫したトーナメント制が実現し、名実ともに「真の日本一」を争う大会として生まれ変わった(オフィシャルプログラムより)――のだが、思いのほか大差の試合が多かった。

 一発勝負のトーナメントでは、最後の最後まで気合を入れて勝負に徹するのは当然で、ベンチメンバーに経験を積ませよう、とはなかなかならない。優勝記者会見では、男女ともヘッドコーチから、「終了のブザーが鳴るまで心配」と似たようなニュアンスのコメントが聞かれるのもうなずける。

 実力の差はさておき、いかに自分たちのバスケットに徹底できるかが勝敗に直結するが、連覇で天皇杯を獲得した千葉ジェッツ、5連覇で22回目の皇后杯を手にしたJX-ENEOSサンフラワーズは狙い通りの内容だったに違いない。

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年末年始の連敗から改めて見つめ直した原点
 特に千葉は富樫勇樹をケガで欠き、年末年始のB.LEAGUEレギュラーシーズンでアルバルク東京に連敗した悪い流れを見事に断ち切っての優勝だった。“個”で戦ったら普通のチーム、“チームとして戦うこと”を強調した大野篤史ヘッドコーチの指示を、選手たちは忠実に表現してみせた。ケガから復帰のPG西村文男が巧みにチームをコントロールすれば、キャプテン小野龍猛は狙いすました3Pシュートを連発し、チームを一気に勢いづけた。

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 ファウルトラブルに陥り、らしくない「18」のターンオーバーを犯したシーホース三河は、明らかに自分たちのバスケットができずじまい。鈴木貴美一HCの口から、「気負い過ぎた……」と反省のコメントが漏れたのも珍しい。

 「(ファイナルラウンド)3試合はすべてがベストゲームだった」という小野キャプテンのコメントは、選手一人ひとりが「個」としても「チーム」としても自信を深めた証に他ならない。熊本で開催されるオールスターを挟み、再開されるB.LEAGUEでは東地区1位のA東京(千葉は現在2位)と壮絶なデッドヒートを演じそうだ。

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宮澤のMVP受賞で、AKATSUKI FIVEは次なるステップへ
 JX-ENEOSの連覇にさほど驚きはなかったかもしれない。ファイナルラウンドに入っても、3試合すべてで20点差以上の大差をつける充実ぶり。吉田亜沙美、大﨑佑佳、渡嘉敷来夢の3本柱は盤石で、加えて今大会は、宮澤夕貴がMVPにふさわしい活躍を見せた。

 決勝の相手は今シーズン初対戦のデンソー アイリス。インサイドにはエースの髙田真希がおり、若手の有望株、赤穂さくら、ひまわり姉妹が成長を見せている。182cmの宮澤に対し、姉さくらは183cm、妹ひまわりは184cmとほぼ同サイズ。タイプが違い、一日の長がある宮澤だが、今後はリーグで何度も対戦するライバルであり、日本代表でも競う相手になる。ただ、終わってみれば19得点でMVP受賞の宮澤が凱歌を揚げた。

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 「(MVPは)みんなに獲らせてもらった」と謙虚なコメントの宮澤だが、受賞のセレモニーでは自信に満ちた表情に見えた。以前はインタビューの際、伏し目がちに弱気なコメントをすることもあったが、今ではまったくその面影はない。AKATSUKI FIVEの一員として、自らの役割をしっかりとこなす宮澤は、3本柱の後に続く存在にとどまらず、これからは一歩前へ出て行く存在になる可能性に満ちている。赤穂姉妹を始め、多くの若手選手がその姿を目標にするだろう。トム・ホーバスHC率いるAKATSUKI FIVEは、次なる幕開けの時を迎えている。

第93回天皇杯 ファイナルラウンド
準々決勝
西宮ストークス ●72‐95○ 京都ハンリーズ
栃木ブレックス ●71‐76○ 千葉ジェッツ
新潟アルビレックスBB ●72‐96○ シーホース三河
川崎ブレイブサンダース ○81‐61● 琉球ゴールデンキングス
準決勝
京都ハンナリーズ ●63‐100○ 千葉ジェッツ
シーホース三河 ○87‐68● 川崎ブレイブサンダース
決勝
千葉ジェッツ ○89‐75● シーホース三河

MVP:ギャビン・エドワーズ(千葉#21)
ベスト5:西村文男(千葉#11)、ギャビン・エドワーズ(千葉#21)、小野龍猛(千葉#34)、ダニエル・オルトン(三河#3)、比江島 慎(三河#6)

第84回皇后杯 ファイナルラウンド
準々決勝
JX-ENEOSサンフラワーズ ○69‐44● トヨタ紡織サンシャインラビッツ
アイシン・エイ・ダブリュウィングス ●46‐76○ トヨタ自動車アンテロープス
シャンソン化粧品シャンソンⅤマジック ●66‐71○ 富士通レッドウェーブ
デンソー アイリス ○68‐60● 三菱電機コアラーズ
準決勝
JX-ENEOSサンフラワーズ ○78‐52● トヨタ自動車アンテロープス
富士通レッドウェーブ ●62‐76○ デンソー アイリス
決勝
JX-ENEOSサンフラワーズ ○84‐62● デンソー アイリス

MVP:宮澤夕貴(JX-ENEOS#52)
ベスト5:渡嘉敷来夢(JX-ENEOS#10)、大﨑佑佳(JX-ENEOS#21)、宮澤夕貴(JX-ENEOS#52)、髙田真希(デンソー#8)、赤穂さくら(デンソー#12)